平成18年11月18日
現地時間18日午後6時20分(日本時間同日午後8時20分)から45分間、APEC首脳会合に出席した安倍総理は、プーチン露大統領と会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(1)冒頭、安倍総理より、20年前、自分の父が外務大臣として、中断していた外相間の平和条約交渉を10年振りに再開し、これに全力で取り組んだが、自分も父の遺志を引き継いで、プーチン大統領と協力して、平和条約問題の解決を含め、日露関係の発展に取り組んでいきたいと述べた。これに対してプーチン大統領から、御尊父が外務大臣として両国関係に大きな貢献をされたと承知していると述べた。
(2)「日露行動計画」を基礎として、幅広い分野で協力を一層進め、両国間に「共通の戦略的利益に基づくパートナーシップ」を構築していくことで一致した。
(3)日露外務省の事務レベル・トップ間による「戦略対話」の開始を歓迎。
これまでに達成された諸合意・諸文書に基づき双方に受入可能な解決策を見出すため、政治レベル、事務レベルで更に精力的に交渉していくことで一致した。
(1) フラトコフ首相の2007年前半の訪日を実現すること、その事前の準備として貿易経済政府間委員会を開催することで一致した。
(2) イワノフ副首相兼国防大臣の訪日を2007年中に実現することで一致した。
(1)安倍総理より、8月の日本漁船の銃撃・拿捕事件のような悲惨な事件の再発を防止し、安全かつ安定的な漁業秩序を維持していく上で、海上保安当局間での協力の重要性を強調。また、安倍総理より、今朝の日露外相会談において麻生大臣から述べたとおり、船体の引渡し、再発防止のための関連情報の提供について協力を求めた。
(2)海上保安当局間の協力を含め、治安分野で一層緊密に協力していくことが重要であるとの認識で一致した。
(1)エネルギーの安定供給という観点から、エネルギー分野での日露協力の重要性、特にサハリン I、サハリン II、太平洋パイプライン・プロジェクトの重要性につき一致した。
(2)サハリン IIについては、当事者間の話し合いで解決していくべきという認識で一致した。
(1) 北朝鮮に関し、六者会合を通じて朝鮮半島の核問題を解決することの重要 性につき一致した。安倍総理より、再開後の六者会合で朝鮮半島の非核化に向け具体的成果を得ることの重要性を強調した。また、拉致問題について、安倍総理よりロシアの理解と支持を求めたのに対し、プーチン大統領は、ロシアとして理解できない野蛮な行為であり、引き続き協力していく旨述べた。
(2) イランの核問題について、引き続き緊密に連携していくことで一致した。
(3) 安全保障理事会を含む国連改革について加盟国の広範囲な合意を得つつ行っていくことで意見の一致をみた。