外務大臣談話

令和7年8月1日
  1. 2021年2月のクーデターから4年半が経つ今もなお、アウン・サン・スー・チー氏を含む多くの人々が拘束され、空爆を含む暴力が継続するなど、状況改善の兆しが見られない状況が継続していることを深刻に懸念するとともに、極めて遺憾に思います。
  2. そうした中、昨31日、ミャンマー現「政権」は緊急事態宣言を解除し、2025年12月から2026年1月までの間に総選挙を実施することを発表しました。我が国としては、総選挙は民主的な政治体制の回復に向けたプロセスとして位置付けられるべきと考えています。被拘束者の解放や当事者間の真摯な対話を始めとする政治的進展に向けた動きが見られないまま総選挙が実施されるような事態となれば、ミャンマー国民による更なる強い反発を招きかねず、平和的解決がより困難になることを深刻に懸念します。
  3. こうした考えの下、我が国として、ミャンマー国軍に対して、(1)暴力の即時停止、(2)アウン・サン・スー・チー氏を含む被拘束者の解放、(3)民主的な政治体制の早期回復について、具体的な行動を取るよう、改めて強く求めます。緊急事態宣言が解除された今こそ、ミャンマー国軍側が真摯に対応することを切望します。同時に、我が国は、ミャンマー全土における停戦とその確実な履行が達成され、全ての当事者が平和的な問題解決に向けて真摯に努力していくことを強く願います。また、事態打開に向け、人道支援を含む「5つのコンセンサス」の実施を始め、ASEANの取組を引き続き最大限後押しします。
  4. さらに、我が国は、ミャンマーの人々の声にしっかりと耳を傾け、様々な関係者との対話を更に進めるとともに、本年3月の地震による被災や長引く紛争によりミャンマーの人々の生活が影響を受けていることを受け、人道支援や国民生活の向上のための支援をミャンマーの人々に直接裨益する形で積極的に行っていきます。

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