外務大臣談話
国際海洋法裁判所(ITLOS)裁判官選挙・堀之内秀久大使の当選について(外務大臣談話)
令和5年6月15日
6月15日(現地時間14日)、ニューヨークの国連海洋法条約締約国会合にて実施された国際海洋法裁判所(ITLOS)裁判官選挙において、我が国候補である堀之内秀久国連海洋法条約(UNCLOS)担当大使がアジア太平洋グループの候補者の中で選出されたことを大いに歓迎します。
海における「法の支配」が益々重要となる中、海洋に関する紛争の平和的解決においてITLOSが果たす役割は一層大きくなっています。とりわけ、現職のITLOS裁判官であり同所長も務めた柳井俊二氏が在職されている18年間に、ITLOSは海洋に係る紛争の平和的解決に当たり、時宜にかなった見識の深い判断を下し、海における「法の支配」の維持・発展に大きく貢献してきたと高く評価しています。柳井裁判官に続き、堀之内大使が我が国出身の3人目のITLOS裁判官として当選を果たしたことは、この分野における我が国の貢献が極めて高く評価されたものと考えています。
我が国としては、堀之内大使の裁判官としての今後の活躍を期待するとともに、UNCLOSを始めとする国際法に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・発展に引き続き積極的に貢献していきたいと考えています。また、柳井裁判官の任期中のITLOSへの、更には海における「法の支配」の維持・発展への多大な貢献に対して、改めて敬意を表するとともに、心からの感謝を示します。
[参考]
- 国際海洋法裁判所(ITLOS)概要
- 国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、UNCLOSの解釈・適用に関する紛争の司法的解決を任務として、1996年ドイツ・ハンブルクに設置された。21名の裁判官(任期9年間)で構成される。UNCLOSは1994年に発効し、現在の締約主体数は167か国及び1地域(EU)。我が国はUNCLOSを1996年に批准した。
- 我が国はこれまで、山本草二裁判官(1996年10月1日~2005年9月30日)、柳井俊二裁判官(2005年10月1日~2023年9月30日)の2名をITLOS裁判官として輩出してきている。
- 堀之内秀久大使略歴
1957年生まれ。東京大学法学部卒。1980年に外務省に入省し、大臣官房参事官(兼国際情報統括官付)、大臣官房審議官(兼国際法局)、在中華人民共和国大使館在勤特命全権公使、在ロサンゼルス総領事、駐カンボジア大使、駐オランダ大使等を歴任し、現在国連海洋法条約担当大使。