外務報道官談話
「南スーダンにおける衝突の解決に関する再活性化された合意」への署名について
(外務報道官談話)
1 我が国は,9月12日(現地時間),エチオピア連邦民主共和国のアディスアベバにおいて,南スーダン共和国の関係者が,「南スーダンにおける衝突の解決に関する再活性化された合意(R-ARCSS)」に正式に署名したことを歓迎します。南スーダンの平和促進に向けて,スーダン及び他の政府間開発機構(IGAD)諸国並びに同事務局が行ってきた努力に敬意を表します。
2 関係者が,強い政治的意思をもって建設的に協力し,停戦を遵守しつつ,治安部門改革,憲法修正,州数・州境問題の解決といった諸事項を平和裡に履行することを強く期待します。また,それらを通じ,南スーダンに平和と共存の文化が深く根付き,新たな暫定政府が合意どおり8か月後に発足することを期待します。
3 我が国は,国際社会と協調して,南スーダンの平和と安定に向けた努力を引き続き支援していく考えです。
[参考]
南スーダン共和国では,首都ジュバは2016年7月の衝突以降比較的平穏であるものの,地方の一部において衝突や殺傷事案が継続。これを受け,東アフリカの地域機関である政府間開発機構(IGAD,議長国:エチオピア)は,履行が停滞気味であった2015年の「南スーダンにおける衝突の解決に関する合意(衝突解決合意,ARCSS)」を再活性化するため,2017年6月,南スーダン関係者を集めて「ハイレベル再活性化フォーラム」のプロセスを開始した。
同プロセスでは,2017年12月,2018年2月及び5月,エチオピア連邦民主共和国のアディスアベバで会合が開催され,敵対行為停止等が合意された。6月からは,スーダン共和国ハルツーム等に場所を移して引き続き協議が行われた。これら協議を通じ,6月27日に恒久的停戦を含む「ハルツーム宣言」,7月7日に治安取決め,8月5日に暫定政府の体制がそれぞれ合意された。その後の協議で合意の細部や履行スケジュールも合意され,9月12日に「再活性化された衝突解決合意(R-ARCSS)」が正式に署名された。
R-ARCSS署名に伴い,最大8か月の「準備期間」が開始され,その後,3年間の「暫定期間」が置かれる予定。「準備期間」中には,治安部門の改革,憲法や関係法の修正,州数・州境問題の解決等が予定されている。「暫定期間」開始時には,合意に基づき暫定政府が改組される予定。