外務報道官談話

平成29年10月8日

 本年のノーベル平和賞が核兵器廃絶国際キャンペーン(The International Campaign to Abolish Nuclear Weapons(ICAN))に授与されることが決定しました。

 ICANの行ってきた活動は,日本政府のアプローチとは異なりますが,核廃絶というゴールは共有しています。今回の受賞を契機として,国際社会で核軍縮・不拡散に向けた認識が広がることを喜ばしく思います。

 ノーベル委員会は受賞発表の中で北朝鮮の核開発に言及しています。北朝鮮の核・ミサイル問題はこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり,国際社会と連携してあらゆる手段により圧力を最大限まで高め,北朝鮮の政策を変えさせる必要があります。

 我が国は,核兵器の非人道性に対する正確な認識とともに,こうした厳しい安全保障環境に対する冷静な認識に基づいて,非核兵器国のみならず核兵器国の協力も得て,現実的かつ実践的な核軍縮・不拡散の取組を進めて行くことこそが,真に核兵器のない世界を目指す上で必要であると考えています。

 また,広島・長崎の被爆者の方々は,核兵器のない世界の実現に向け,被爆の実相を世界に伝えてきました。核兵器廃絶に向けた被爆者・被爆地の長年の努力に対し,この機会に改めて敬意を表したいと思います。


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