外務報道官談話

平成30年9月10日
  1.  現在,シリア・アラブ共和国のイドリブ県を中心とするシリア北西部において,大規模な軍事衝突が発生する可能性が高まっている状況を深く憂慮します。同地域には,国内避難民を含めた多数の民間人がおり,大規模な軍事衝突が発生すれば,更なる難民・国内避難民の発生を含め,人道情勢が更に悪化し,中東地域全体の安定を揺るがす可能性があります。
  2.  また,シリア北西部において新たに化学兵器が使用される可能性が指摘されていますが,いかなる場合でも化学兵器の使用は許されるものではありません。
  3.  我が国は,シリア危機は,軍事的手段によって解決できる問題ではなく,政治的解決を追求しなければならないと考えています。そのため,全ての紛争当事者に対し,軍事的措置を停止し,国連主導の政治プロセスを進展させるために努力することを呼びかけます。
  4.  我が国は,シリアにおける全ての暴力の停止や人道状況の改善に向け,国際社会と連携していきます。

 [参考]イドリブ情勢
 かつて人口70万人程度だったが,避難民や戦闘員等の流入により,240~300万人程度に増加したと言われており,シリア反体制派の拠点とされる。
 現在,シリア政府軍側がイドリブ周辺に部隊を集結させる動きをみせていると報じられている。


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