東アジア首脳会議(EAS)
第20回東アジア首脳会議(EAS)
令和7年10月27日
現地時間10月27日午後3時35分(日本時間同日午後4時35分)から約2時間20分、マレーシアの首都クアラルンプールにて、第20回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、茂木敏充外務大臣が代理出席したところ、概要は以下のとおりです。
1 総論・地域協力
茂木大臣から、概要以下のとおり述べました。
- 日本はこれまで自由で、民主的で、人権を護り、法の支配を尊ぶ平和国家として、地域の平和と繁栄に貢献してきた。日本は、この歩みの延長線上にある「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進を通じて、これからも地域の平和と安定、繁栄に取り組んでいく。
- 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が挑戦にさらされる中、地域の主要国が一堂に会し、戦略的議論を行うプレミア・フォーラムとして、今回記念すべき第20回目を迎えたEASはますます重要。
- 地域を対話と協調に導くためには、協力体制の推進も不可欠。日本は一貫して、ASEANの中心性・一体性、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を支持している。
- 昨日の日ASEAN首脳会議で採択した、日ASEAN間で二本目となるAOIP協力に関する共同声明にも沿って、具体的な協力を更に推進する。
- 日本は、これからも法の支配に基づくFOIPを推進し、EASを始めとするASEAN主導の地域枠組みに積極的に貢献していく。
2 地域・国際情勢
(1)茂木大臣から、概要以下のとおり述べました。
- 東シナ海・南シナ海・台湾
- 東シナ海を含む世界中のどこであれ、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは決して認められない。
- 南シナ海においても、地域の緊張を高める危険で威圧的な活動が強化されており、深刻に懸念。日本は、航行・上空飛行の自由を含む、海における法の支配の貫徹を支持する観点から、当事国による比中仲裁判断の遵守と、紛争の平和的解決を望んでいる。
- 台湾海峡の平和と安定は国際社会全体にとって重要。
- 北朝鮮
北朝鮮は、今月22日にも弾道ミサイルを発射したが、暗号資産窃取も資金源に核・ミサイル能力を向上させ、露朝軍事協力を通じ実戦経験を積んでおり、その脅威は日々増大。地域の緊張を高める行為を深刻に懸念。国連安保理 決議に従った北朝鮮の完全な非核化が重要。決議の完全な履行をはじめ、連携して対応していくことを改めて呼びかける。北朝鮮による拉致問題の即時解決は急務であり、引き続き各国の理解と協力をお願いする。 - ミャンマー情勢
日本はミャンマー情勢を深刻に懸念している。ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止や政治的対話の進展を強く求める。 - カンボジア・タイ国境情勢
カンボジア・タイ停戦合意を仲介した米国及びマレーシアの外交努力に敬意を表する。日本も平和の定着のため積極的に貢献していく。 - 越境犯罪
オンライン詐欺を含む越境犯罪対策でも、各国との協力を強化していく。 - 中東情勢
中東地域の平和と安定は、日本にとっても極めて重要。ガザ情勢については、停戦の維持、残された人質の遺体の引き渡し、速やかな人道支援の実施といった合意の誠実かつ着実な履行が重要。人道状況改善や早期復旧・復興、そして二国家解決の実現に向け、日本として積極的な役割を果たしていく。 - ウクライナ情勢
ロシアによるウクライナ侵略においては、各国の外交努力により、国際社会の結束の下、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に繋げることが重要。
(2)他の参加国の発言
- 東シナ海・南シナ海における状況への懸念、航行・上空飛行の自由や国際法に従った紛争の平和的解決の重要性等について発言があった他、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する発言がありました。
- 北朝鮮に関しては、完全な非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性等に関する発言があるとともに、核・ミサイル開発の進展や露朝軍事協力の進展への懸念についての発言がありました。
- カンボジア・タイ国境情勢については、多くの国から、停戦合意を歓迎し、米、マレーシア等の貢献に感謝する発言がありました。
- ミャンマー情勢については、深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」履行の重要性が強調されました。
- 中東については、多くの参加国から、ガザにおける停戦や人道支援の再開を歓迎する発言がありました。また、人道状況改善や早期復旧・復興、二国家解決の重要性を強調する発言がありました。
- ロシアによるウクライナ侵略について、他の参加国から、情勢に関する深刻な懸念の表明や、ロシアによるウクライナ侵略に対する非難、早期停戦の必要性についての発言がありました。


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