寄稿・インタビュー

令和8年5月25日

The Hindu 朝刊(5月25日月曜日)

日本外務大臣「クアッドは『不可欠な枠組み』であり続ける」

 スハシニ・ハイダル(ニューデリー)

 クアッドがその存在意義を失ったという懸念に応える形で、日本の茂木敏充外務大臣は、この4カ国グループが「不可欠な枠組み」であり続けると述べた。ニューデリーで火曜日に開催される四カ国外相会議を前に、ザ・ヒンドゥー紙のインタビューに書面で答えた茂木氏は、グリーンエネルギーや先端技術に必要な「重要鉱物をめぐる協力」が会議の主要議題になると示した。
 日本はインドで重要鉱物プロジェクトに取り組んでおり、インフラ整備、税制優遇の拡充、知的財産権の保護を求めていると述べた。
 外相会議には、インドのジャイシャンカル外相、米国のマルコ・ルビオ国務長官、オーストラリアのペニー・ウォン外相が参加する予定で、西アジアの紛争、ホルムズ海峡封鎖、今月のトランプ大統領の中国訪問などを総括するとみられる。また、インド・米国間の緊張を背景に2024年以降開催されていないクアッド首脳会議の議題設定も行われる。
 「クアッドは基本的価値と戦略的利益を共有する国々の間の不可欠な枠組みであり続けている。海洋安全保障、経済安全保障、サイバーセキュリティなど幅広い分野で具体的な成果を上げてきた」と茂木氏は語った。しかし、加盟国の戦略文書においてクアッドへの言及が少ない理由についての問いには答えなかった。
 3月4日にインド洋でイラン船「IRIS Dena」が米国に攻撃されたことについて、インド太平洋地域の平和と安定確保を議題とするクアッドメンバーから提起されるかとの問いには回答しなかった。

自由で開かれた太平洋
 2025年にクアッド外相が2回会合を開き新たな議題を設定したものの、米国、オーストラリア、日本各政府が最近発表した戦略文書ではクアッドへの言及がほとんど、あるいは全くない。2025年11月に公表された米国の「国家安全保障戦略」は、同国がニューデリーに対してクアッドを通じたインド太平洋の安全保障への貢献を「促す」としているが、グループに関する具体的な計画は示していない。5月2日、高市早苗首相はベトナム訪問中に日本の「更新された自由で開かれたインド太平洋」政策を発表したが、この文書でクアッドに言及しているのは重要鉱物イニシアティブに関連した1箇所のみである。
 茂木外務大臣は、火曜日の会議で「地域・グローバルな情勢」を議論し、「クアッドが自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現に向けた実践的協力を力強く推進し続けるという揺るぎないメッセージ」を発信すると述べた。
 4月には高市首相が「広域エネルギー・資源強靭性パートナーシップ( POWERR Asia)」を提唱。ジャイシャンカル外相もオンラインで参加したこのイベントでは、イラン紛争によるエネルギー危機への対応として、石油・ガス・再生可能エネルギーの調達、資金調達・貯蔵メカニズムの調整を目指している。「ホルムズ海峡を通るエネルギーや資源の供給途絶による影響を最も受けるのはアジアの国々であり、その影響はサプライチェーンで密接につながるすべての国々に及ぶ」と茂木氏は語った。

The Hindu ウェブ版(5月24日(日曜日)19時27分)

「クアッドは依然として不可欠」と日本外務大臣が発言。インド太平洋における同枠組みの重要性への懸念を否定

 クアッド外相会議を前に、茂木敏充外相はレアアース協力が最重要議題であると述べ、インドにおけるインフラ整備、知的財産権の保護を求める

 日本の茂木敏充外務大臣は、クアッドが「不可欠な枠組み」であり続けると述べ、4カ国グループが影響力を失いつつあるとの懸念を否定した。また、火曜日(2026年5月26日)に開催される四カ国外相会議(FMM)において、グリーンエネルギーおよびハイテク産業に必要な「レアアース(重要鉱物)協力」が最重要議題になるとインタビューで示唆した。日本はインドでのレアアース関連プロジェクトに取り組んでいると茂木外相は述べる一方、インフラの改善、税制上の補助金の拡充、知的財産権の保護を求めた。

 クアッド外相会議はジャイシャンカル外務大臣が主催し、茂木外相、マルコ・ルビオ米国務長官、ペニー・ウォン豪外相が参加する予定である。会議ではイランの紛争、ホルムズ海峡封鎖、今月のトランプ大統領の訪中などを検討するとともに、インド・米国間の複数の問題をめぐる緊張により2024年以降開催されていないクアッド首脳会議の議題設定も行われる見通しだ。

 クアッド外相会議は2025年に2回開催され、新たな議題が設定されたものの、米国、オーストラリア、日本の各政府が最近発表した戦略文書においてクアッドへの言及はほとんど、あるいは全く見られない。2025年11月に発表された米国の国家安全保障戦略は、クアッドを含む枠組みを通じて「インドにインド太平洋の安全保障への貢献を促す」としているが、同枠組みに関する具体的な計画については詳しく述べていない。5月2日、高市早苗日本首相はハノイ訪問中に「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)更新版」政策を発表したが、この文書でクアッドへの言及はレアアース協力イニシアティブの文脈でわずか1回にとどまった。

 「クアッドは、基本的な価値観と戦略的利益を共有する国々にとって不可欠な枠組みであり続けています。海洋安全保障、経済安全保障、サイバーセキュリティなど幅広い分野で具体的な成果を上げてきました」と茂木外相はFMM前にヒンドゥー紙に書面で回答した。ただし、戦略文書における同枠組みへの言及がなぜ少ないのかという質問には正面から答えなかった。

 2026年3月4日にインド洋でイラン船舶「IRISデナ」を米国が撃沈したことについて、クアッドがインド太平洋地域の平和と安定確保を掲げている中で、他のクアッドメンバーがこれを議題にするかどうかという具体的な質問への回答は避けた。茂木外相は、会議において「地域および国際情勢」について議論し、「クアッドが自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現に向けた実践的な協力を引き続き力強く推進するという揺るぎないメッセージ」を発信すると述べた。

 4月には高市首相が「幅広いエネルギーおよび資源の強靱性に関するパートナーシップ(POWERR Asia)」を提唱し、ジャイシャンカル大臣もオンラインで参加した。このパートナーシップは、イラン紛争に起因するエネルギー危機に対処するため、石油・ガス・再生可能エネルギーの調達、資金調達、備蓄メカニズムを調整することを目的としている。

 「ホルムズ海峡を通過するエネルギーや資源の供給が滞ることで最も影響を受けるのはアジアの国々であり、その影響はサプライチェーンで密接につながるすべての国に及びます」と茂木外相はヒンドゥー紙に語った。

 茂木外相は火曜日の会議において「重要鉱物イニシアティブを土台として、公正で多様化したレアアース市場に向けたビジョンを共有しながら、具体的な協力を深めることを期待している」と述べた。

 「私たちが今直面している国際情勢がますます困難になる中、調達先の多様化とレアアースの安定供給の確保はこれまで以上に重要な課題となっています」と茂木外相は説明した。レアアースへの注力は、中国が巨大な埋蔵量を有し、鉱物の処理において世界シェアの約90%を占め、各国への輸出をたびたび制限しているという、レアアース市場における中国の支配的地位への懸念を反映している。

 日本とインドは、2025年8月のモディ首相の訪日の際にも、レアアースに関する個別の二国間パートナーシップを立ち上げていた。日本は2010年代からインドでのレアアース精製事業に取り組んでおり、半導体分野の日本企業から「強い関心」が寄せられていると茂木外相は述べた。しかしながら、こうしたビジネスイニシアティブを前進させるためには、「知的財産権・営業秘密の保護、補助金の規模・範囲の拡大、インフラの整備」に向けたインド政府の取り組みが「不可欠」だと指摘した。また、バングラデシュおよびインド北東部へのインフラ整備に関するFOIP計画を改めて確認し、最近選出されたバングラデシュのタリク・ラーマン首相との会談でマタルバリ深海港の開発継続を確認したこと、およびインド北東部、ブータン、ネパールとの接続性促進を推進することを述べた。


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