海外広報
ジャパン・ハウス有識者諮問会議の開催(平成29年10月23日)
平成29年11月2日
10月23日,「ジャパン・ハウス有識者諮問会議」が開催された。この会議では,堀井巌外務大臣政務官,原研哉ジャパン・ハウス総合プロデューサー,国内有識者諮問委員12名に加え,各ジャパン・ハウスの館長兼事務局長を始め,現地(サンパウロ,ロンドン,ロサンゼルス)事務局の主要メンバー等も出席し,活発な議論が交わされた(有識者諮問委員リスト(PDF))。同会合の議論の概要は以下のとおり。
(注)当省からの出席者は下記のとおり。
- 堀井 巌 外務大臣政務官
- 丸山 則夫 外務報道官
- 熊谷 直樹 広報文化外交戦略課長
- 榎下 健司 戦略的対外発信拠点室長
- 冒頭,堀井巌外務大臣政務官から,ジャパン・ハウスは国際的な日本の魅力発信の「舞台」となるものであり,多くの方々に日本への新たな関心を抱いていただけるきっかけとなるようなプロジェクトにするべく意見交換を行いたい旨挨拶があった(堀井巌外務政務官冒頭発言(PDF)
)。その後,新委員3名(長谷川由紀委員,細田眞委員,元林稔博委員)から就任挨拶が述べられた。続いて,原研哉ジャパン・ハウス総合プロデューサーからジャパン・ハウス全体のコンセプト等について説明があり,その後,各ジャパン・ハウスの館長及び企画局長等から進捗や今後の事業計画等について報告があった後,諮問委員との間で有意義な意見交換が行われた。
- 今回の会議における意見交換の概要は以下のとおり。
- (1)国内での広報の必要性
- 諮問委員から,ジャパン・ハウス サンパウロの成功は喜ばしいが,これだけ素晴らしい活動をしていることが日本国内で知られていない,もっと国内で周知させるべき旨指摘。これに対し,ジャパン・ハウス関係者から,然るべき対応をしていきたい旨発言があった。
- (2)ジャパン・ハウスのあり方等
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- ア 諮問委員から,物販の運営は,核となるスタッフが責任をもって運営していくことが重要である旨発言。これに対し,原総合プロデューサーから,優秀なバイヤーが協力してくれており,良い物を探そうと皆喧々諤々やっている旨発言があった。
- イ 諮問委員から,ジャパン・ハウスの拠点地はいずれも国際性が高いところ,ジャパン・ハウスの活動を近隣諸国とどう結びつけていくのかとの質問がなされた。これに対し,ジャパン・ハウス関係者から,ジャパン・ハウスは日本が拠点国に対して指示を行ったり,援助する事業ではない,追求すべきは,どのように世界の人々と連携していけるか,一緒に何ができるかであり,一緒に何かを生み出していく,価値のある見せ方をしていくことが重要である旨応答した。
- ウ 諮問委員から,単に日本を紹介するだけではなく,現地から何かを吸収し,日本に還元できる場としてあるべき,又,日本人が今どういう価値を持ち,他国の何に価値を感じるのかを表現する場や海外から見て日本に目指してもらえるものがあるのかを集積する場としても考えていくことが重要である旨発言。
- エ 諮問委員から,日本料理を世界に発信する上でも,地方の特色ある非常に良い物を作っている中小事業者等の発表の場としてジャパン・ハウスを使用できると良い旨発言。これに対し,ジャパン・ハウス関係者から,意欲のある地方事業者等に活躍の場を提供していきたい,食のイベントも積極的に実施したいと考えており,地方の優れた食材なども是非使っていきたい旨発言があった。
- (3)コンテンツに係るアイデア等
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- ア 諮問委員から,女性の活躍についても政策広報でも扱ってほしい,子供や女性向けのコンテンツやプログラムなども実施してほしい旨発言。
- イ 諮問委員から,日本独自の美学や思想など,目に見えない深いところが伝わるようなテーマを扱うことも一案,又,単に美しいというだけでなく,海外から見て,日本には使えるものがあるということを示していくことも重要である旨発言。
- (4)ミッション・ステートメント
- 諮問委員から,ジャパン・ハウス事業で何を目指すのかを明確にし,3拠点を通底していくことが重要である旨発言。
- (5)パブリック・ディプロマシー
- 諮問委員から,What is Japan for?という問いかけに答えるのがジャパン・ハウスである。日本はジャパン・ハウスを通じてどのような価値を提供するのか,それについての対話の場を定期的に設け,ジャパン・ハウスではこのような話が聞けるとの認識を広めることも考えうる旨発言。これに対し,ジャパン・ハウス関係者から,文化には社会的価値や社会的利益の側面も入ってくる(高齢化,伝統的技術の衰退等),ジャパン・ハウスはこれらの議論も行っていくべき,同時に,単に人が来て話す場ではなく,行動に繋がる場にしていきたい旨発言があった。