寄稿・インタビュー

Medium(米国)への阿部外務副大臣寄稿

「女性の活躍:日本が前へ」

平成31年4月8日

英語版 (English)

 日本では女性の潜在力を解き放つことが急務である。女性の活躍は,包摂的で多様性のある社会の実現に不可欠だ。女性が持つ力を最大限発揮できるようにすることは,社会に活力をもたらし,国家を盤石なものにすることでもある。新たな商品開発や市場拡大を生む女性の視点からの創意工夫は成長の原動力にもなる。

 安倍総理が2013年に掲げたウイメノミクスの下,日本は女性の活躍推進を成長戦略の中核に位置づけてきた。その結果,日本では6年間で女性就業者数は288万人増加し,上場企業の女性役員数は2.7倍増加した。

 それでも,世界経済フォーラム(WEF)が発表した2018年の「ジェンダー・ギャップ指数」において,149か国中,未だ日本は110位である。残念ながらG7では最下位で,G20でも下から4番目だ。未だに女性が社会で活躍する上で抱える困難は十分認識されていない。男性の家事・育児時間は先進国で最も低いというOECDの統計もある。高齢化社会を受け,高齢の両親世代の介護と育児に同時に従事しなければならないダブルケアの問題や,結婚や出産と望むキャリアパスの両立に向けたハードルも,社会環境整備課題として,残されている。

 明るい兆しはある。若い男性世代の意識は確実に変化している。内閣府による意識調査では,家庭における家事や育児等を「妻の役割」もしくは「基本的に妻の役割」であるとの回答の割合は,60歳代男性では6割程度を占めているのに対し,20歳代男性では3割となる。子育てに積極的,意識的に関わる男性を意味する「イクメン」という言葉も定着した。

 こうした若い世代の意識の変化を,政府や政党,民間の取り組みが一丸となって,後押しする。政府が2015年に発表した「女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針」には,男性の意識変革の促進が盛り込まれている。政府は,妻の出産の際の男性の休暇取得や,育児休業の取得を推進している。企業文化も変わりつつある。多くの企業や地方自治体のトップが「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に賛同している。

 国際社会との連携も不可欠だ。国際社会から学び,そして国際社会に日本の経験を共有したい。こうした思いから,日本は各国が抱える課題や改善に向けた取組,そしてグッドプラクティスを共有する場として,国際女性会議WAW!を2014年から開催している。第5回目となる今年は,3月23から24日,「WAW! for Diversity」をグランド・テーマに東京で開催された。ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんやバチェレ国連高等人権弁務官の参加を得て,日本だけではなく,世界の女性の更なる活躍に向けたパワフルなメッセージを発信することができた。さらに,日本は本年のG20議長国として,6月の大阪サミットで女性のエンパワーメントを主要議題の一つとして取り上げる。女性の労働参画,STEM分野を含む女児教育支援,女性起業家・女性ビジネスリーダーの声の反映を3本柱に掲げ,女性活躍推進の国際的な潮流を更に後押ししていく。

 女性のエンパワーメントは,その国の未来につながる。紛争や社会の歪みは女性や子どもに大きな影響を与える。こうした考えの下,日本は途上国における女性分野での支援にも力を入れている。その鍵は,女性の保健医療,さらには女性の潜在力を引き出す女子教育の強化だ。例えば,科学・技術分野における女性の人材育成の拡大が新たな創造力の源泉となるとの観点から,ASEAN地域における女性教員を含む工学系教員の育成促進や研究・教育実施体制の整備を支援している。合わせて,就学の機会のなかった女性に対する生涯教育支援や,親を含むコミュニティにおける女性への教育の重要性に関する意識向上に向けた支援も重要だ。

 女性の活躍推進につき,日本は様々な課題を抱えている。しかし,日本はその事実と向き合い,この分野において国内外で取組を強化しており,その成果を着実に出していく。日本において,また,世界において,一人でも多くの女性が輝くことができる可能性を置き去りにしない。日本が前進を止めることはない。

寄稿は,Mediumのホームページ別ウィンドウで開くから閲覧可能です。


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