寄稿・インタビュー

マニラ・ブレティン紙(フィリピン)による河野外務大臣書面インタビュー

(2019年2月9日付)

「日本の外務大臣が今日から3日間フィリピンを訪問する」

平成31年2月13日

 日本の河野太郎外務大臣は本日2月9日から3日間,二国間の戦略的パートナーシップ及び協力関係を更に強化するため,フィリピンを公式訪問する。
 河野大臣はドゥテルテ大統領及び複数の閣僚と会談するためにダバオを訪れ,フィリピンにおけるインフラ開発支援や,バンサモロ基本法に基づく住民投票を成功裏に実施したミンダナオ地域に対する支援を含めた相互の関心事項について議論を行う。
 また,河野大臣はダバオ総領事館開設記念行事に出席する予定である。
「日本とフィリピンの関係は,深くて温かい,家族や兄弟のような関係とも言えます。今回の私のフィリピン訪問が,『黄金時代』にある両国間関係を一層深化させる一助になれば幸いです」と,河野大臣は8日,マニラ・ブレティン紙が事前に送付した書面での質問に回答した。
 今回の河野大臣の訪問は,2017年8月の外務大臣就任以来3回目(ママ)となる。河野大臣は,フィリピンがASEAN関連会合を開催した2017年8月及び11月(ママ)に,フィリピンを訪問しており,外務大臣としての最初の訪問国がフィリピンであった。
 ダバオ訪問中,河野大臣は日系人との交流のためミンダナオ国際大学を訪れ,他の参加者と共に好物のドリアンを賞味する予定である。

人的交流
 河野大臣は,63年前の国交樹立以降,日本とフィリピンの二国間関係が今ほど良好かつ強固だったことはなかったと強調した。
 「政治,安全保障,経済,文化,人的交流など様々な分野において,両国の戦略的パートナーシップは,ドゥテルテ大統領が述べられたとおり,『黄金時代』を迎えています。」と河野大臣は述べ,安倍総理が2016年のドゥテルテ大統領の就任以降,既に6回の首脳会談を実施していることにも言及した。
 河野大臣は,第二次世界大戦前に多くの日本人が移住し,アバカ栽培のみならず,発電施設,鉄道,道路などのインフラ整備にも携わった土地でもあるダバオにおいて,領事事務所が総領事館に格上げされたことは歴史的に重要な意味を持つと述べ,日本の最初の在ダバオ領事事務所が1920年に開設されていることから,「在ダバオ総領事館には約100年の歴史があります。」とも述べた。
 「日本と歴史的なつながりの深いダバオに総領事館が開設されたことで,両国国民の絆は益々強くなるものと確信します。」と河野大臣は述べた。
 訪日フィリピン人の数は,過去6年間で6倍となり,50万人を超えたと河野大臣は述べた。一方で,海外を目指す日本人留学生の多くが,主に英語を学ぶために今ではフィリピンに向かっている。
 河野大臣は,大相撲の高安関や御嶽海関などの日比両国にゆかりのあるアスリートの活躍にも敬意を表した。
 「揺るぎない二国間関係の礎となるのは,人と人との関係です。」と河野大臣は述べた。

ミンダナオ和平
 バンサモロ基本法が住民投票により承認され,バンサモロ暫定自治政府の発足を控えた今,河野大臣は,ミンダナオ和平プロセスは「非常に重要な局面」を迎えていると述べた。
 河野大臣は,「地域の治安を維持しながら,元MILF(モロ・イスラム解放戦線)兵士の退役・武装解除も円滑に進めていかなければなりません」と述べた。
 日本政府は先月21日の住民投票に際して,鈴木憲和外務大臣政務官を団長とする,諸外国の中で最大,かつ唯一政務レベルの監視団を派遣した。
 しかしながら,バンサモロ基本法に基づく最初の住民投票から数日後,スールー州ホロ島のカトリック教会及びザンボアンガ市のモスクにて爆発事件が起き,20名以上の死者及び約100名の負傷者が出た。
 「スールー州ホロ島及びザンボアンガ市における爆発事件で多くの死傷者が出たことに関し,日本政府及び日本国民を代表して心からお見舞いを申し上げます。」と河野大臣は述べた。
 河野大臣は,様々な課題を克服してミンダナオ和平を実現するための日本の支援について繰り返し述べた。
 「ミンダナオにおける永続的な平和を実現するためには,できる限り多くの住民が平和の恩恵を実感することが重要です。日本は,今後も和平プロセスの進展に呼応する形で,バンサモロの人々に寄り添いながら,支援を強化していきます」と河野大臣は述べた。
 日本の支援を示す証拠として,河野大臣は日本政府が過去10年以上にわたり,ミンダナオ和平を一貫して支援してきたと述べた。
 2016年からは,J-BIRD(日本バンサモロ復興開発イニシアチブ)の下,学校や診療所などの地域インフラ整備を800件以上実施し,約130億ペソの支援を行っている。加えて,コタバト市に本拠を置くIMT(国際モニタリングチーム)に開発の専門家を派遣し,人々に顔の見える支援を重視してきている。

防衛及び安全保障上の同盟関係
 地域において急速に変化する安全保障情勢に関し,河野大臣は,航行の自由や法の支配の普及・定着を,フィリピンを始めとする関係国と緊密に連携しながら進めていくと述べた。
 「日本は『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて,努力を続けます。法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序とシーレーンの安全は,国際社会の安定と繁栄の礎です」と河野大臣は述べた。日本とフィリピンとの協力は,国際スタンダードに則った質の高いインフラ整備による連結性の向上,海洋安全保障分野の能力構築支援を含んでいる。
 2016年2月の日本とフィリピンとの間の防衛装備品・技術移転協定に基づき,両国は共同演習及び頻繁な艦船及び航空機の寄港を通じて,軍事上の結びつきを強めることが期待されている。
 一昨年6月に日本の海上自衛隊護衛艦「いずも」が,昨年9月に同護衛艦「かが」がフィリピンを親善訪問した。
 河野大臣は,その他の協力例として,比米共同演習「カマンダグ」への参加,海上自衛隊練習機TC-90の比海軍への移転,艦船整備分野における能力構築支援,海上自衛隊P-1と比海軍C-90による親善訓練などを挙げた。
 「基本的価値や戦略的利益を共有するパートナーである日本とフィリピンが,この地域の安定と繁栄のために,共に手を携えて協力していくことが重要です」と河野大臣は述べた。

フィリピン人労働者
 近年における日本の深刻な労働力不足を背景に,日本の国会は,入国管理法を改正し,14の異なる分野においてフィリピン人を含む外国人労働者を今後5年間で最大34万5千人受け入れることとした。
 「新制度により,フィリピンの皆さんに,日本で存分に能力を発揮していただくことは,日本における人手不足への対応のみならず,両国の草の根レベルの友好親善や相互理解を推進する上でも有益と考えます」と河野大臣は述べた。
 日本の政府関係者によると,新たに創設される在留資格「特定技能」は,人材の確保が「特に困難」な業種で外国人材を受け入れるものとなる見込みである。
 「新制度において日本で働くためには,技能と日本語能力が必要です」と河野大臣は述べた。
 これまでの報道によれば,同制度により,介護,農業,漁業,金属加工業,産業機械業,建設,造船,自動車整備などの分野で外国人労働者の就労が認められる見込みである。
 新制度で外国人材を受け入れる企業には,同じ仕事を行う日本人と同等の報酬を支払うことが求められる。


このページのトップへ戻る
寄稿・インタビューへ戻る