寄稿・インタビュー

アル・アイヤーム紙(パレスチナ)による安倍総理大臣インタビュー

2015年1月20日付

平成27年1月26日

日本国総理大臣:パレスチナ国家建設を支持し,イスラエルに入植停止を促す

本日アッバース大統領がラマッラで出迎える

 安倍晋三総理大臣はアル・アイヤーム紙に対し,日本は入植活動が国際法違反であるとして,イスラエルに入植活動停止を呼びかける旨述べた。

 安倍総理はエジプト,ヨルダン,イスラエルを含む中東訪問の最初に記者会見を行い,本日パレスチナを訪れることをうれしく思うと述べた。パレスチナでは,大統領府でマフムード・アッバース大統領が出迎え,会談を行うとともに,共同記者会見が行われる。

 安倍総理は,日本の首相として8年半ぶりにパレスチナを訪問することをうれしく思うと述べた。

 また,日本と世界の安定は中東地域の平和と安定に直結すると強調するとともに,中東地域の平和と安定,発展はパレスチナとイスラエルの関係安定なくては達成できないと述べた。

 また,和平の達成としっかりとした産業基盤を築くことこそがパレスチナ経済に資する,独立したパレスチナ国家建設に向けた極めて重要なものであると述べた。

 さらに,日本はパレスチナ国家建設に加え,ジェリコ農産加工団地(JAIP)での早急な活動開始に向けてパレスチナを力強く支援すると述べた。

【問】
 中東和平につき,交渉の停滞や入植活動の継続,エルサレムの現状を踏まえ,「二国家解決」案の実現可能性に疑問が出ているが,「二国家解決」案は実現可能と考えるか。また,日本はイスラエル・パレスチナ双方と良好な関係を有しているが,同案実現のために日本は貢献できるか。

【安倍総理大臣】
 今回日本の首相として8年6か月ぶりにパレスチナを訪問できることを大変うれしく思います。今回の訪問を受け入れていただいたアッバース大統領及びパレスチナの皆様にお礼申し上げます。

 中東地域の平和と安定は,日本と世界の安定に直結します。そしてパレスチナとイスラエルの関係の安定は,中東地域の平和と安定,そして繁栄に不可欠です。

 決して中東は日本にとって遠い地域ではありません。私が就任以来の2年間,今回で5回目となる訪問を行っていることは,日本にとって中東が非常に重要な地域であることの証左です。

 日本は,将来の独立したパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存する二国家解決を支持します。しかし,昨年交渉が中断してからは,ガザ紛争,西岸・エルサレムでの騒擾等,交渉再開の雰囲気が全くよどんでしまっていることを懸念しています。

 御指摘のとおり日本はイスラエル・パレスチナ双方と良好な関係を有しており,両国の共通の友人として,はっきりとものを言える立場にあります。だからこそ,日本は二国家実現のために積極的に貢献できると考えています。

 例えば入植活動についても,国際法違反であるとして,日本はイスラエル側に是正を求めています。パレスチナ側にも,真の独立国家樹立に向けて辛抱強く交渉に向かってもらいたいと考えています。

 また,1997年以来日本政府は,パレスチナとイスラエルの双方の有望な青年を東京に招き,互いの理解と信頼を深めることを目的として,一緒に日本国内を視察したり,意見交換の場を設けたりするなどのプログラムを実施してきています。こういった支援も,日本が双方の友人だからこそ行える協力の一つです。

 パレスチナとイスラエルの両方が,和平のためにならない一方的行為をお互い自制し,直接交渉を早期に再開することを期待します。日本は,二人の大切な友人が共存・共栄することを強く願っています。

【問】
 ジェリコにおける平和の回廊構築やガザへの支援等,日本はパレスチナへの経済支援を積極的に実施しているが,今次訪問ではどのような成果を目指すのか。

【安倍総理大臣】
 自立したパレスチナ国家建設のためには,和平の達成とともに,パレスチナ経済の拠り所となるしっかりとした産業基盤を築くことが何より求められます。

 この「平和と繁栄の回廊」構想により,パレスチナへの投資誘致と雇用創出が生み出され,さらにはビジネスの面から地域内における協力が促進されることが期待されます。

 ジェリコ農産加工団地(JAIP)はこの「平和と繁栄の回廊」構想の旗艦事業です。今次訪問では,日本の経済関係者とともにこのジェリコ農産加工団地(JAIP)を訪れ,パレスチナの産品フェアを視察します。

 遠くない将来,ジェリコ周辺で取れる農産品が回廊を通って近隣諸国や湾岸の消費地に向かうでしょう。ジェリコ農産加工団地(JAIP)の本格稼働に向け,さらにはパレスチナの国造りを力強く支援していきます。


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