人の交流
スポーツ・フォー・トゥモロー ネパールへの柔道指導者の派遣



概要
外務省は,平成29年度のスポーツ外交推進事業として,9月11日から19日まで,柔道指導者5名をネパールに派遣しました。現地(首都カトマンズ)において,同国ナショナルチーム,ネパール警察,現地柔道団体,若手柔道選手等に指導を行ったほか,ケーシー青年スポーツ大臣やシュレスタ・ネパールオリンピック協会会長との懇談等を通じて,多くのスポーツ関係者・政府関係者と親睦を深めました。
この事業は,日本政府のスポーツを通じた国際貢献策「Sport for Tomorrow」の一環として行ったもので,スポーツ分野における国際協力と国際交流の促進を図ることを目的として実施しています。
コメント
派遣者コメント
小川 郷太郎 全日本柔道連盟特別顧問(団長)
滞在中,ほぼ毎日ナショナルチームと朝2時間の稽古を行いました。ナショナルチームはコーチ陣もしっかりしていて予想以上にレベルが高く,我々は求められて実戦に役立つ組み方や体捌き,立ち技から寝技への移行などの技術を教えて,大いに喜んでもらいました。東京オリンピックに選手を派遣したいとの意欲も感じられ,日本からの指導継続も要請されました。
選手たちのお辞儀をする姿勢も美しく,礼節もしっかりしていて印象的でした。
午後は親が服役中の子供たちの施設や孤児院での柔道指導,警察学校での稽古などを行いました。親のいない子供たちを柔道を通じて教育する方針が確固としていて,その効果に感銘を受けました。
指導者,選手,子供たちととても親密になり,指導に当たった日本の学生たちにとっても得難い経験でした。
小貫 紗綾子 全日本柔道連盟競技部国際課主任
ネパールで,お金がなくて空腹のままに練習にくるナショナルチームの選手や,親が刑務所にいて,親とは一緒に暮らせない子,ストリートチルドレンで保護された子など,日本では考えられないような厳しい環境に置かれている子供たちと出会い,一緒に柔道をしました。
どんな状況であれ,それでも目を輝かせながら楽しく柔道をしている姿を目の当たりにし,柔道が彼らの希望であり続けられるよう,連盟職員として出来ることをやり続けていきたいと強く思いました。
派遣に際し,多大なるご協力を頂いた皆様に,心より感謝申し上げます。
受講者コメント
ディパック・バジュラチャリア ネパール柔道協会会長
今回の全日本柔道連盟の指導員の皆さんのネパール訪問は,選手及びコーチにとって,素晴らしい学びの機会となりました。このような機会を今後も増やしていきたいです。
ププ・ラム・カトリ柔道選手(指導受講者)
今回,柔道の技を教えて頂き,大変勉強になりました。また,柔道は身体的な能力だけではなく,頭で考え,相手の技を分析し,多くの試合経験を積むことが重要だと理解することができました。