人の交流

平成28年5月9日
開会式(山田美樹外務大臣政務官出席)
討議の様子
安倍総理表敬

 平成28年4月22日から28日にかけて開催された,「2016年ジュニア・サミットin三重」の概要は以下のとおりです。

1 経緯

 ジュニア・サミットは,2005年のG8グレンイーグルス・サミット(英国)から開始された青少年のサミットで,各国の代表チームが,首脳会合と関連する議題について討議し,成果文書を作成します。2009年以降中断していましたが,2015年G7エルマウ・サミット(ドイツ)の機会に再開され,日本からの代表チームも参加しました。2016年伊勢志摩サミットに際しても,首脳会合に先立ち外務省主催にて実施することを決定したものです。

2 日程等

  • (1)平成28年4月22日~28日
  • (2)場所:三重県桑名市を主会場とし,三重県各地,東京都での視察を実施。
  • (3)実施団体:外務省主催,伊勢志摩サミット三重県民会議共催,公益財団法人イオン1%クラブ特別協力
  • (4)参加者:G7各国からの15~18才の青少年。各国男女2名ずつ,7カ国で28名。
  • (注)募集方法は,各国の日本大使館を通じ,相手国の政府機関又は適当な団体に対し選考を依頼。日本からの参加者は,三重県伊勢志摩サミット推進局に選考を依頼。

3 議論の概要

 22日から24日にかけて,「次世代につなぐ地球 環境と持続可能な社会」をメインテーマに,集中して議論が行われました。参加者は,以下の4つのサブテーマごとに分科会形式で議論を行い,その結果を成果文書「桑名ジュニア・コミュニケ」にとりまとめました。桑名市での成果発表会には安倍昭恵総理夫人,鈴木英敬三重県知事,伊藤徳宇桑名市長が出席されました。

(1)気候変動と脱炭素化
 気候変動に起因する様々な課題を解決するために,炭素税,排出量取引制度を活用したカーボン・プライシングを促進すること,再生可能エネルギー発電を推奨することの重要性が強調されました。また,都市部のインフラ開発を通じた温室効果ガスの低減についても触れられ,諸取組の実現に向けた日本のリーダーシップに期待する旨の議論がなされました。
(2)経済格差と包括的な経済成長
 先進国と発展途上国の格差是正を図るためにどのような対策が可能か議論されました。この観点から,先進国から途上国への技術移転に着目し,先進国の企業に,技術移転を促すためのインセンティブの付与の可能性等について提案されました。また汚職と租税回避の課題も取り上げられ,制度改革を通じた対策が必要との提案がなされました。
(3)人材育成
 すべての子供達の初等・中等教育へのアクセスを可能にすることを念頭に,教育の質向上のための国際的な連携や,教育インフラ,教師のレベルの向上,先進国と途上国間の学校単位でのノウハウの共有を促す制度について提案がなされました。
(4)ジェンダーによる格差の克服
 日本がリーダーシップを発揮している女性のエンパワメントの分野について,女性の社会進出を促すために,企業の働きやすさを採点形式で可視化していくことや,途上国においては基本的な女子教育の底上げを図るために,経済的支援も含めた制度設計をしていくことなどが提案されました。

4 視察・交流行事

 期間中には,三重県各地及び東京都において,視察や地元高校生との交流行事も行われました。

(1)4月23日
 赤須賀漁業協同組合,四日市公害と環境未来館,NTN(株)先端技術研究所,桑名市「石取祭」体験
(2)4月25日
 三重県内4コースに分かれた視察・交流行事(鈴鹿サーキット,高校生レストラン,伊勢神宮,伊賀忍者博物館等)
(3)4月27日
 筑波大学附属高等学校での授業体験,植樹
(4)4月28日
 東京湾クルーズ,寿司体験,送別レセプション

5 安倍内閣総理大臣への成果報告

 ジュニア・サミット参加者一同は,4月27日に,総理官邸において「桑名ジュニア・コミュニケ」を安倍内閣総理大臣へ提出し,議論の成果及び滞在中の感想などを報告しました。安倍総理からは,翌月のG7伊勢志摩サミットの議長として,世界経済の持続的な,力強い成長に貢献するよう,世界が直面する様々な課題等について,明確なメッセージを発出していきたい旨述べました。また,諸課題の解決に向け,若い世代が関心を持ち,取り組んでいくことの重要性に触れました。

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