アメリカ合衆国
安倍総理大臣の米国訪問(結果)

(写真提供:内閣広報室)

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安倍総理は,4月26日から5月3日まで日本の総理大臣として9年ぶりに米国を公式訪問したところ,概要は以下のとおり。
1 訪米の意義
(1)戦後70年の日米関係の歩みと将来に関する肯定的メッセージの発信

演説する安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

演説する安倍総理大臣
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今回の訪米においては,戦後70年の節目の年にあたって,戦後いかに日米同盟がアジア太平洋地域そして世界の平和と安定に貢献してきたかについて確認し,また,今後も,自由,民主主義,基本的人権,法の支配といった基本的価値観の上に立って,両国が手を携えて地域そして世界への貢献を続けていくとの強い意思を発信することができた。特に,日本の総理大臣として史上初となった上下両院合同会議での安倍総理による演説は,こうした点を強調するものとなった。
(2)日米同盟の一層の強化と日米首脳間の絆の確認

散策する安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

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今回の安倍総理による米国公式訪問は,昨年のオバマ大統領の国賓訪日に続く形での公式訪問となった。日米首脳会談においては,二国間の課題の進展を確認すると共に,地域情勢やグローバルな課題への対応での連携を確認し,今後一層協力を強化していくことを確認した。また,オバマ大統領自らガイド役を務めて安倍総理をリンカーン記念館に案内した他,公式晩餐会においては和やかな歓談が行われる等,訪問を通じて両首脳間の個人的関係が一層強化された。
(3)将来に向けた多層的な日米関係の推進

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今回の訪米においては,首都ワシントンDCに加えて,ボストン,サンフランシスコ,ロサンゼルスを訪問した。それぞれの都市において,学生,有識者,企業関係者等,幅広い層との交流を行い,政治のみならず,経済,文化,教育等の分野における両国間の協力の深まりを確認するとともに,将来に向けて更に厚みのある日米関係を構築していくことを確認した。また,日米間の重要な紐帯である日系米国人との一層の関係強化が図られた。
2 主要行事の概要
(1)日米首脳会談(4月28日)

(写真提供:内閣広報室)

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両首脳間で,日米同盟がアジア太平洋や世界の平和と繁栄に果たす役割について確認すると共に,今回の機会に,(ⅰ)日米共同ビジョン声明,(ⅱ)核兵器不拡散条約(NPT)に関する日米共同声明,(ⅲ)より繁栄し安定した世界のための日米協力に関するファクトシートを発出した。
日米二国間の課題では,首脳会談前日の日米「2+2」で発表された新ガイドラインの下,同盟の抑止力・対処力が一層強化されることを確認するとともに,米軍再編を着実に進めていくことを確認した。また,TPPにおける日米間の交渉の前進を歓迎し,日米が交渉全体をリードし,早期妥結に導いていくことで一致した。
地域情勢については,日米が中核となり,法の支配に基づく自由で開かれたアジア太平洋地域を維持・発展させ,そこに中国を取り込むよう連携していくことで一致すると共に,中国のいかなる一方的な現状変更の試みにも反対することを確認した。また,北朝鮮,ウクライナ,イラン等への対応においても連携していくことを改めて確認した。
グローバルな課題では,気候変動,感染症対策について意見交換を行った。
(2)連邦議会上下両院合同会議での演説(4月29日)

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日本の総理大臣として初めて行った連邦議会上下両院合同会議での演説では,基本的なメッセージとして,かつて戦火を交えた日米が,戦後和解を果たして強固な同盟国となり,共に地域と世界の平和と繁栄に貢献してきたことを振り返り,戦後70年間に亘り日米が育んできた絆をアピールした。
3 各都市訪問の内容
(1)ボストン(4月26日,27日)

安倍総理夫妻
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ケネディ大統領ゆかりの展示があるケネディ・ライブラリーを訪問し,日米の深く長い歴史を確認するとともに,ケリー国務長官私邸にて,少人数での率直な意見交換を実施。ハーバード大学では学生との率直な対話を通じて,日米の繋がりの強さについて発信。マサチューセッツ工科大学(MIT)では,世界最先端の研究・イノベーションに従事する有識者,起業家との意見交換を通じ,イノベーション創出,起業,ベンチャー支援を成長戦略の柱とする日本の姿勢を発信。
(2)ワシントンDC(4月27日から30日)

(写真提供:内閣広報室)

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歓迎式典や日米首脳会談,晩餐会といった公式行事,議会演説のほか,アーリントン国立墓地及び第二次大戦メモリアルを訪問し,大戦の犠牲者の方々に哀悼を捧げた。また,ホロコースト記念博物館では,杉原千畝が発給したビザにより命を救われた方々と面会し,歴史の悲劇を二度と繰り返さないとの決意を新たにした。このほか,安全保障に関する笹川平和財団主催のシンポジウムや全米商工会議所との懇談,STSフォーラム関係者との朝食会等への出席を通じ,日本の基本政策について発信。さらに,日米関係者を集めたガラ・ディナーを開催し,日米関係に貢献した方々に感謝を伝えた。
(3)サンフランシスコ(4月30日,5月1日)

プログラムでの公開シンポジウム
(写真提供:内閣広報室)

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米国と世界を動かす西海岸のイノベーション創出,企業,ベンチャー支援の本拠地で,それらを成長戦略の柱とする日本の姿勢を発信。スタンフォード大学の有識者やシリコンバレー等で活躍する起業家,経営者が集まるシンポジウムへの参加や企業訪問を通じ,今後のシリコンバレーと日本との間の交流促進につき表明。ブラウン・カリフォルニア州知事による総理表敬とシミュレーター体験を通じ,新幹線技術のトップセールスを実施。
(4)ロサンゼルス(5月1日,2日)

((写真提供:内閣広報室)

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日系人部隊記念碑献花,全米日系人博物館視察等を通じ,深いつながりを有する日系米国人との関係を強化。さらに,カケハシ・プロジェクトの参加者との懇談を通じ,日米関係の将来のカケハシとなることの期待を発信。日米の有力なビジネスマンが集まる日米経済フォーラムに出席し,総理から対米・対日双方向の更なる投資促進を呼びかけた。