アメリカ合衆国

安倍昭恵総理夫人の米国訪問

平成27年5月3日

英語版 (English)

 平成27年4月26日から5月3日まで、安倍総理夫人は安倍総理大臣とともに米国を訪問しました。安倍総理夫人の今次米国訪問は、昨年4月のオバマ大統領の訪日、本年3月のミシェル・オバマ大統領夫人の訪日の後に日米関係の更なる強化の機運を捉えた訪問であり、同夫人による各種訪問、関係者との交流を通じて、日米両国国民に対し、様々なレベルで強く結ばれている日米関係を示しました。

 訪問先ごとの概要は以下のとおりです。

訪問先等一覧

1 ボストン(4月27日)

  • (1)ボストン・ラテン・アカデミー訪問
  • (2)ボストン美術館訪問
  • (3)ボストンで活躍中の日本人女性との懇談

2 ワシントンDC(4月27日~4月30日)

  • (1)グレートフォールズ小学校訪問
  • (2)ホワイトハウス・キッチンガーデン訪問
  • (3)トマス・ジェファーソン高校及びウォルト・ウィットマン高校関係者との懇談
  • (4)国立アメリカン・インディアン博物館訪問
  • (5)THEARC(ジアーク)及びワシントン女学校訪問
  • (6)JETプログラム関係者との懇談

3 サンフランシスコ(4月30日)

  • (1)ローザ・パークス小学校訪問
  • (2)気持ちホーム訪問
  • (3)サンフランシスコ州立大学訪問

4 ロサンゼルス(5月1日)

  •  ホームボーイ・インダストリーズ訪問

概要

1 ボストン(4月27日)

(1)ボストン・ラテン・アカデミー訪問

 安倍総理夫人は、第二外国語の一つとして日本語教育を行っているボストン・ラテン・アカデミーを訪問し、学校関係者から同校の特色や同校が実施する日本関連イベントの「ジャパン・デー」等の学内での活動について説明を受けました。その後、日本語の授業に参加し、生徒と一緒に、日本の昔話「ねずみの嫁入り」の朗読、ことわざクイズの出題等をして生徒と交流しました。最後に安倍総理夫人は、「昭恵文庫」を寄贈し、「日本語を通じて、言葉だけではなく日本の心も学んでください。とても大切な関係である日米の架け橋として活躍してください。」とのメッセージを伝えました。

(参考)ボストン・ラテン・アカデミー
 1877年に創設。7年生から12年生までの生徒約1700人が通うボストン市で2番目の大きな公立校である。ラテン語教育に力を入れており、第一外国語としてラテン語、第二外国語としてその他の言語を教育している。第二外国語の選択肢が多いことも特徴で、8年生から外国語クラスがある。毎年約250人の生徒が日本語クラスを選択しており、日本語教育に熱心に取り組んでいることで知られる。2013年秋には「くまモン」が、2014年春には京都祇園祭の長刀鉾(なぎなたほこ)のお囃子方が同校を訪問し、日本語クラスの生徒と交流を行った。

(参考2)「昭恵文庫」
 安倍総理夫人は、訪問国における日本語学習・日本文化の更なる普及や交流の促進に役立つようにとの願いから、関連団体の協力を得て、訪問国において日本語・日本文化の講座を有する教育機関等に日本関連書籍や日本語教材等を寄贈している。

(2)ボストン美術館訪問

  • 日本美術ギャラリー
  • 東日本大震災関連写真展

 ボストン美術館は、1890年より初代日本部長をアーネスト・フェノロサが務めるなど、日本との関係が深いことでも知られており、米国における日本文化の発信拠点として重要な役割を果たしています。
 安倍総理夫人は、同美術館を訪問し、日本美術ギャラリー、東日本大震災に関連する写真展“In the Wake”及び特別展「北斎展」を視察し、日本への理解促進のためボストン美術館が果たしている役割に敬意を表しました。ロジャーズ館長からは、今回への訪問への謝意が表されるとともに、同美術館が現在取り組んでいる日本部創設125周年を記念した日本美術ギャラリーの拡張計画について説明し、日本文化の発信拠点としての役割をさらに拡張すべく、ケネディ駐日米国大使も尽力されている旨の説明がありました。

(3)ボストンで活躍中の日本人女性との懇談

 安倍総理夫人は、ボストン美術館視察後、同美術館内で、様々な分野で活躍する日本人女性とそれぞれの活動につき意見交換を行い、各人を激励しました。

2 ワシントンDC(4月27日~4月30日)

(1)グレートフォールズ小学校訪問(4月28日)

 安倍総理大臣夫人は、ミシェル・オバマ米国大統領夫人とともに、バージニア州フェアファックスにあるグレートフォールズ小学校を訪問しました。同校は、日本語によるイマージョンプログラム(外国語で他教科も勉強しながら言葉を学んでいくプログラム)を行う公立小学校であり、1994年には天皇皇后両陛下も訪問され、安倍総理夫妻も過去に訪問しています。なお、全米各地で27校が日本語によるイマージョン教育プログラムを導入しています。
 両夫人は日米国旗を振る生徒達による歓迎を受け、6年生のイマージョンクラスの生徒による日本語によるプレゼンテーションを見学しました。また、全校生徒及び保護者が集う体育館で、生徒による太鼓演奏及び合唱が披露されました。
 生徒への挨拶の中で、ミシェル夫人は、本年3月の訪日を通じて、日米間では言語や食事には違いがあるが多くの共通項があることを強く感じており、今後も日本語の勉強を継続してほしい旨を伝えました。安倍総理夫人からは、多くのアメリカ人が日本の文化に興味を抱いていることを誇らしく思うとともに、多様な日本の文化に触れてほしい旨を伝えました。また、本年3月にミシェル夫人が訪日した際に、女子教育支援の重要性を互いに確認できたことは喜ばしく、一緒に懇談した日本の学生はミシェル夫人の姿勢や言葉に励まされ、きっと米国のことがもっと好きになったと思う、皆さんも本日の交流を機会に日本のことをさらに好きになってほしい旨を伝えました。
 最後に、生徒から、今回の訪問を記念して桜の植樹を行うとの紹介がありました。

(2)ホワイトハウス・キッチンガーデン訪問(4月28日)

 安倍総理夫人は、ミシェル・オバマ大統領夫人の案内により、ホワイトハウス内のキッチンガーデンを視察し、野菜の栽培方法や収穫した野菜の活用方法等についてシェフのコマーフォード氏による説明を受け、両夫人は農業、食育への思いや具体的な取組等に関し意見交換を行いました。また、安倍総理夫人は、オバマ大統領一家の飼い犬とも触れあうなど終始和やかな訪問となりました。

(参考)キッチンガーデン
 ホワイトハウスの南側の敷地にある果樹、野菜、ハーブ栽培用地。
 2009年に、健康で幸せな生活についての全国的議論を始めるため、また、学校やコミュニティーグループが主体となって、全国で家庭菜園をつくってもらう際のヒントを与えるために、オバマ大統領夫人が始めたもの。2014年夏から、学校や団体の見学ツアーを受け入れている。

(3)トマス・ジェファーソン高校及びウォルト・ウィットマン高校関係者等との懇談(4月28日)

 安倍総理夫人は、日本語教育が行われているトマス・ジェファーソン高校及びウォルト・ウィットマン高校の教員、保護者及び生徒と現在の日本語教育を巡る現状などにつき意見交換を行いました。
 参加者からは、日本語を学ぶきっかけ、同校が行っている日米学生交流、日本語学習者が減少している現状、日本語教育の質の向上において他校との日本語教師の知見・経験を共有することの重要性等が紹介され、安倍総理夫人からは、日米関係がますます良くなるために、若い人たちが日本語や日本の文化や歴史に関心を持っていることは重要であり、生徒達に対しては日本語の学習を、教職員に対しては日本語教育をぜひ続けていただきたいとの期待を伝えました。

(参考1)トマス・ジェファーソン高校
 バージニア州フェアファックス郡にある公立高校。同校はUS News and World の高校ランキングで全米2万1、000校以上の中で4位と特に理数教育に力を入れる学校として全米の中でも最高位に位置しているほか、1985年の開校以来30年間にわたり日本語が教えられている。
(参考2)ウォルト・ウィットマン高校
 メリーランド州モンゴメリー郡にある公立高校。同校はUS News and World の高校ランキングでメリーランド州第1位(全米61位)に位置する高学力校。日本語教育については、1972年以来40年以上の歴史を有する。

(4)国立アメリカン・インディアン博物館訪問(4月29日)

 安倍総理夫人は、国立アメリカン・インディアン博物館を訪問しました。安倍総理夫人は、まず、先住民民族代表者との昼食会で、アメリカン・インディアンの生活や文化・伝統、その継承にあたっての窮状や米国政府の取組みなどについて説明を受け、社会における多様性の重要性について意見交換を行いました。
 続いて、安倍総理夫人は、同博物館で、先住民族の歴史や生活に関する展示を視察しました。

参考)国立アメリカン・インディアン博物館
 西半球の先住民族に関する知識の蓄積と理解の向上を目的に活動を行っており、先住民族を扱う博物館としては世界最大規模である。先住民族の歴史や生活に焦点を当てた展示を行うほか、研究機関としても機能している。

(5)THEARC(ジアーク)及びワシントン女学校(4月29日)

 安倍総理夫人は、ワシントンDCにある低所得者層の子どもと成人のためのコミュニティ再活性化を目的としたTHEARC(ジアーク)を訪問しました。
 安倍総理夫人は、同施設の概要説明を受けつつ、生徒達が集うレクレーションセンターやバレエのレッスンを視察し、その後、施設内にある6年生から8年生までが通うワシントン女学校を訪問しました。
 ワシントン女学校においては、安倍総理夫人から生徒に対して、前日に再会したオバマ大統領夫人が3月に訪日した際に、女子教育の重要性について共に確認したことを紹介しつつ、今後も勉強を続けて夢を広げてほしい旨を伝えました。また、先方の要望に応え、自身の「半生と乗り越えてきた困難」をテーマに生徒達へのメッセージを伝えました。  その後、生徒達から安倍総理夫人に対し、子供の頃の生活や学生時代の過ごし方などについて質問があり、安倍総理夫人から生徒達の夢について質問するなど、活発な交流が行われました。

(参考)THEARCについて
 ワシントンDC8区で、コミュニティ再活性化を目的とし、行き場所のない低所得者層の子どもと成人のために、文化芸術に親しむ機会や、教育や医療サービスを安価又は無料で提供する場として作られた施設。NGOが運営し、施設内には劇場もあり、地域住民が文化芸術に接する貴重な場所となっている。施設内では、8つの団体・機関が様々な機会を提供しており、団体の一つにワシントン女学校がある。同校では母子家庭などの6年生から8年生までの女子に対し、良質な教育を提供し進学支援も行っている。

(6)元JET関係者との懇談(4月29日)

 安倍総理夫人は、元JETプログラム参加者及び東日本大震災で犠牲となったテイラー・アンダーソン氏とモンゴメリ・ディクソン氏の御家族と懇談をしました。
 安倍総理夫人から、アンダーソン氏及びディクソン氏の御家族に対し謝意を表し、JET参加者の多くが地方の在住経験を通じて日本の本当の良さを理解されている旨を伝えたところ、御家族から、JETプログラムは日米関係にとって重要であり、参加者はみな日本を愛しているとの発言がありました。その後、元JET参加者から、JETプログラムが親日家育成に果たしている重要な役割、JETの今後のあり方、より良いプログラムとするための提案などについて、活発な意見交換が行われました。

(参考)JETについて
 JETプログラム参加者は、日本の小中高で外国語を指導する指導助手(ALT: Assistant Language teacher)及び各自治体での国際交流活動を行う国際交流員(CIR:Coordinator for International Relations)として全国の地方自治体に配置される。昭和62年度から実施され来年度には30周年を迎える。米国からの参加者は、全世界からの参加者の半数以上を占め、米国からはこれまで累計3万人以上がJETに参加。
 2011年3月の東日本大震災の際には、2名の米国人JETが犠牲となった(テイラー・アンダーソン氏(2008年8月から宮城県石巻市に英語指導助手として勤務)及びモンゴメリ・ディクソン氏(2009年8月から岩手県陸前高田市に英語指導助手として勤務。))。

3 サンフランシスコ(4月30日)

(1)ローザ・パークス小学校訪問

 安倍総理夫人は、エミリー・ムラセ・サンフランシスコ市教育委員長とともに、サンフランシスコ市内にあるローザ・パークス小学校を訪問しました。同校は、近隣の生徒を受け入れる一般コースに加えて、サンフランシスコ統一学校区から応募が可能なジャパニーズ・バイリンガル・バイカルチュラル・プログラム(JBBP)が開設されています。
 ムラセ教育委員長からは、日系米国人の日本語教育の観点からもJBBPが果たしうる役割は大きい旨の説明があり、安倍総理夫人は4年生、5年生の日本語の数の数え方の授業を見学しました。その後、幼稚園から5年生の生徒により「Believe」と「翼をください」の合唱が披露され、安倍総理夫人からは、日米関係が今後ますますよい関係となるように、ひとりひとりが日米の架け橋となってほしい旨を伝えました。

(参考)ジャパニーズ・バイリンガル・バイカルチュラル・プログラム(JBBP)
 JBBPは、サンフランシスコ教育委員会が日系人の守るべき遺産である日本文化及び日本語の保全を目的として現地日系人コミュニティと連携して1973年に立ち上げた日本語プログラム。JBBPの児童は、英語で授業を受ける一般科目の他、毎日1時間程度日本語の授業を受けている。また、正月、ひな祭りなどの日本の文化や運動会などの日本の学校文化を学ぶ機会も設けられている。同校の名前は「公民権運動の母」と呼ばれる黒人女性のローザ・パークス氏にちなんでいる。

(2)気持ちホーム訪問

 安倍総理夫人は、ムラセ・サンフランシスコ市教育委員長及びロンドン・ブリード・サンフランシスコ市議会議長ととともに、当初日系人高齢者の介護施設として1971年に設立され、現在は様々なアジア系高齢者を受けいれる介護施設である「気持ちホーム」を訪問しました。
 安倍総理夫人は、ナカジョウ事務局長から、サンフランシスコ周辺の日系人の苦難の歴史について説明を受けました。その後、サンフランシスコ最後の日系一世の四條為子さん及び御家族と懇談し、昔の家族写真などを見ながら、その半生などが語られました。また、安倍総理夫人は、他の入居者1人1人に声をかけて交流しました。

(参考)気持ちホーム概要
 気持ちホームは、言語の壁や文化・風習の面で現地に受け入れ先がなかった日系人高齢者の介護施設を確保する目的で、サンフランシスコ日本街に1971年に設立された高齢者介護施設。毎年、約3000名の高齢者とその家族に対して日本語による各種サービス(老人ホーム、デイ・ケア、食事配達サービス、健康などの各種相談など)を提供している。過去には、天皇皇后両陛下も訪問された。現在では、日系人のみならず様々なアジア系高齢者の受入先にもなっている。

(3)サンフランシスコ州立大学訪問

 安倍総理夫人は、多くの日本人留学生を有するサンフランシスコ州立大学を訪問し、学生団体の代表との間で、学内コミュニティにおける学生のリーダーシップ、LGBTを含む学生コミュニティの中の問題や課題について意見交換を行いました。

(概要)サンフランシスコ州立大学
 カリフォルニア州立大学のサンフランシスコ校であり、設立は1899年。CSUの全23キャンパスのうち、設立年順では4番目、学生総数では6番目(学部約25,000人、大学院約5,500人)、年間予算総額では5番目に位置する。授業料は全米公立大学でも最も低額である大学の一つとされる。留学生は80カ国から約750名おり、日本人留学生も約130人在籍している。

4 ロサンゼルス(5月1日)

ホームボーイ・インダストリーズ訪問

 安倍総理夫人は、少年・少女等の更正や社会復帰の支援施設であるホームボーイズ・インダストリーズを訪問しました。
 安倍総理夫人は、施設が更正プログラムの一環として運営するカフェやベーカリー、社会復帰支援プログラムやレーザーによる入れ墨除去の様子を視察した後、元施設利用者や施設関係者と懇談を行い、利用者が同施設を知るに至った経緯、施設の特色、さらに青少年が非行に走るのを防ぐには如何なる対策をとればよいか等が話題に上りました。

(参考)ホームボーイ・インダストリーズ概要
 暴力団や非行グループに属していたロサンゼルス郡やロサンゼルス市内に住む少年・少女や成年男女の非行悪化防止や更正を目的として、グレッグ・ボイル神父が中心となり、そのような若者たちに小さな仕事を与える「将来につながる仕事」プログラムとして1988年に始まり、2001年に現在の、ホームボーイ・インダストリーズとなった。実際に、パン屋やコーヒーショップなどの小さなビジネスを、非行に走った若者たちに運営させ、また、犯罪歴のある若者たちを雇ったりもしている。さらに社会復帰や更正のための教育プログラムも実施している。過去には、ローラ・ブッシュ夫人(2005年4月)、オバマ大統領(2014年7月)、バイデン副大統領(2015年1月)らも訪問している。


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