グローカル外交ネット

令和8年6月17日

外交実務研修員 堀 華納
(福岡県から派遣)

1 はじめに

 私は2024年4月、福岡県から外務省へ派遣され、中東アフリカ局中東第一課にて2年間勤務いたしました。福岡県では創業者支援やスタートアップ支援に携わっており、その中で在外公館で勤務される方々と関わる機会があったことから、外務省の仕事に関心を持つようになりました。その思いが実り、外交実務研修員として外務省に勤務する機会をいただき、県では経験できない多くの業務に携わることができました。
 この度、寄稿の機会をいただきましたので、外務省での2年間を振り返りながら、私自身が感じたことについても述べさせていただきます。今後、外務省で勤務される外交実務研修員の皆様にとって少しでもご参考になれば幸いです。

2 中東第一課での業務

 中東第一課は、アルジェリア、イスラエル、エジプト、ヨルダン、シリア、チュニジア、トルコ、モロッコ、リビア、レバノン、パレスチナに関する外交政策を担当しています。経済、政治・安全保障、文化・人的交流など幅広い分野において中東諸国との関係強化に努めるとともに、地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けた外交努力を日々展開しています。
 これまでの私にとって「中東」といえば、世界史の授業やニュースで目にする程度のものでした。そのため、勤務を通じて中東の文化や歴史を深く学び、毎日新たな知識を吸収しながら業務にあたりました。
 担当業務としては、主に対パレスチナ支援を受け持ちました。2023年10月7日のガザ情勢悪化以降、日本は約4億1千万ドルの人道・復興支援を実施(2026年2月現在)しており、私は在外公館と緊密に連携しながら各事業の進捗管理を行いました。2024年にエジプトで開催された「ガザ人道的対処向上のためのカイロ閣僚級会合」に際しては、外務副大臣の現地訪問にも同行し、国際会議の場で各国・地域の立場や発言を直接聞くという貴重な経験をすることができました。また、多くの要人が訪日した大阪・関西万博においては、中東各国・地域の要人をお迎えするためのロジを担当し、要人の方々に日本の魅力を存分に楽しんでいただけたことも、忘れられない経験となりました。

「ガザ人道的対処向上のためのカイロ閣僚級会合」の様子(外務省ホームページ)

 中東第一課では、毎日大量の情報が飛び交う中、それらを的確に整理しながら「日本としてどう動くべきか」を常に考えながら業務にあたります。そのような環境の中で、外交という仕事の本質を間近で感じることができました。

3 地方連携推進室での勤務について

 外務省での研修の一環として、本省勤務の2年間のうち2か月間、地方連携推進室に在籍しました。同室では、地方自治体の国際交流の取り組みを支援する業務を担っており、多くの地方自治体が様々な国と独自の関係を築いていることを改めて知る、大変貴重な機会となりました。
 在籍中には「外務大臣及び地方自治体知事共催レセプション」にも携わりました。自治体が地域の魅力をPRするために工夫を凝らした催しや展示は非常に印象深く、福岡県に戻った際にはこの経験を活かし、海外への情報発信や国際交流の推進に貢献していきたいと思います。

レセプションの様子

4 最後に

 外務省の業務内容も、外交とは具体的に何をするものなのかも、ほとんど分からないまま着任した初日のことを、今でも鮮明に覚えています。勤務開始直後は、毎日急を要する膨大な量の決裁が次々と回ってくることに衝撃を受けました。また、省員の皆様の知識の深さとプロフェッショナリズムには、終始圧倒されるばかりでした。
 日々多忙な中でも、困ったときには快く相談に乗ってくださった皆様には、感謝してもしきれません。県では決して経験できない仕事に携わることで、自分の世界が大きく広がったように感じています。中東第一課の皆様を始め、いつも温かくご指導くださった外務省関係者の皆様、貴重な学びの機会を与えてくださった福岡県の皆様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。
 外務省への4年間の派遣期間もちょうど折り返しを迎え、これからの2年間は在外公館での勤務となります。本省勤務で得た経験や人との繋がりを糧に、充実した日々を送りながら、さらなる成長を目指して精進してまいります。

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