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外交実務研修員研修(駐日オランダ大使館)
外務省地方連携推進室
1 はじめに
外務省では、地方自治体から職員を受け入れ、本省及び在外公館でそれぞれ勤務する外交実務研修員制度を設けています。
2025年12月2日、外交実務研修員24名は「外交実務研修員研修」の一環として駐日オランダ大使館を訪問し、同大使館の業務や日蘭二国間関係に関する講義を受講しました。
講義風景
2 オランダ大使館での講義
研修が開催されたオランダ大使館の建物は、上空から見ると長崎の出島を彷彿とさせる扇型で、日蘭間の歴史と絆を象徴した形となっています。敷地内には樹齢150年の銀杏の木が存在し、黄色の葉に覆われた美しい景色が広がっていました。
(1)日蘭の経済・技術協力
オランダには約700の日本企業がオランダに進出しているほか、日本にも多数のオランダ企業が進出しているとのことで、日本の経済において重要な役割を担っていることがうかがえました。オランダはICT、AI、IoT、ロボティクスを駆使した「スマート農業」に強みを持つほか、世界的な半導体企業を擁しており、これらの分野で日本企業とも緊密な関係を築いているとのことでした。さらに、日蘭の大学や研究機関の共同研究を促進し、次世代技術開発における連携を強化しており、未来に向けた日蘭の経済関係のさらなる発展が期待されるとのことでした。
(2)日蘭の歴史と文化交流
オランダと日本が2025年に交流425周年を迎えたことも踏まえ、講義ではこれまでの日蘭の歴史と文化交流も振り返りました。江戸時代の鎖国期において、オランダは西欧で唯一日本との交易を許された国であり、欧州諸国の中では傑出した交流の歴史があるそうです。医学や科学がオランダから日本に伝わる中で、「やんちゃ」「おてんば」などオランダ語に由来する多くの日本語が生まれた一方、オランダではデルフト焼(オランダ陶器)や、フェルメールの絵画において、日本の着物や漆器、有田焼などの影響が見られるそうです。このような日蘭のアート交流は過去だけでなく現代でも盛んであり、有田焼を通じたデザイナー交流や、日本のポップカルチャー(J-POP、ドラマなど)の人気が高まり、両国の文化交流は一層活発化しているとの話がありました。
(3)両国共通の社会課題
オランダは子育て政策の充実や移民の受け入れなどにより人口増加傾向にあるとのことで、少子高齢化・人口減少に直面する日本とは対照的のようにも思えましたが、労働力不足に直面しているという点では日本と社会課題を共有していることがうかがえました。また、オーバーツーリズムの課題にも直面しているとのことでした。講義の後にはこれら両国共通の社会課題について活発な意見交換が行われました。
3 おわりに
今回、海外の大使館の方にお話を直接聞けたことは、今後在外公館で勤務する予定の研修員にとって大変学びの多い、貴重な機会となりました。
この度は、御多忙の中にもかかわらず本研修を快諾いただき、充実したお話をいただいた駐日オランダ大使館の皆様に厚く御礼申し上げます。
集合写真

