外交史料館
外務省外交史料館 原本特別展示
「日英通商航海条約 陸奥宗光と条約改正」
令和6年7月2日

1894年7月16日、日英通商航海条約の調印によって、領事裁判権が撤廃され、明治政府の重要外交課題であった条約改正は大きく前進しました。本展示では130周年を迎えるこの条約の調印書と批准書を原本で展示し、あわせて調印当時外相だった陸奥宗光が条約改正促進に傾けた熱意と努力をご紹介します。
- 場所:外務省外交史料館展示室(地図)
- 開催期間:令和6年7月12日(金曜日)から令和6年8月31日(土曜日)
- 開館時間:10時から17時30分(入室17時まで)
- 休室日:日曜日、祝日
- 入場無料
展示史料
1893(明治26)年9月11日
陸奥宗光外務大臣より建野郷三駐米公使宛公信


陸奥外相は大臣就任後およそ1年をかけて準備を整え、1893年7月8日、閣議で条約改正の交渉方針を決定した。この公信は、閣議決定に基づき、アメリカとの交渉開始を命じたもので、従来の方針を見直し、欧米諸国と「対等条約」の締結を目指すことが謳われている。改正交渉はまず英米独の3国と行われたが、その結果、一番難しいと思われたイギリスとの交渉が最初に妥結した。
1894(明治27)年7月16日調印
日英通商航海条約(調印書)

青木周蔵駐英公使とキンバリー(Kimberley)外相がロンドンで調印。調印5年後に実施する規定となっており、この条約によって領事裁判権は撤廃され、最恵国条項も相互的に改められた。一方で日本は、外国人居留地を廃止して、外国人に内地を開放し、旅行・居住・商業の自由を与えた。その後、他の国々とも同様の条約を結び、条約改正は大きく前進した。
1894(明治27)年8月25日批准書交換
日英通商航海条約(批准書)

批准書交換は東京で行われた。イギリスの批准書にはヴィクトリア女王の直筆サインがあり、蝋缶内部の蝋には国璽が押されている。