外交史料館
外務省外交史料館・展示室リニューアルオープン一周年記念
「貴重史料から浮かび上がる吉田茂像」展

外務省外交史料館展示室は2024年4月に麻布台ヒルズの森JPタワー5階に移転し、今年4月にリニューアルオープン一周年を迎えます。一周年を記念して、令和7年4月8日(火曜日)から5月31日(土曜日)まで、「貴重史料から浮かび上がる吉田茂像」展を開催いたします。
吉田茂は、戦前期に外交官としてのキャリアを歩み、戦後は外務大臣(1945年から1947年/1948年から1952年)に就任、そして首相兼外相としてサンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約を締結するなど、現在に至る日本の外交路線決定に重要な役割を果たしたことが知られています。また、多岐に亘る日本外交史上の業績はもちろんのこと、その人物像も注目され、様々な方面からの様々な評価があります。なかでも、「ワンマン宰相」や「バカヤロー解散」といった、辛辣ながらユーモラスさを感じる言葉で評された個性は、吉田の魅力を反映したものといえるかもしれません。
本年は昭和100年、戦後80年にあたり、外交史料館はこの度、まさに「昭和の宰相」といえる吉田茂を振り返る絶好の機会を提供します。
外交史料館の展示室はもともと、麻布台ヒルズに隣接する飯倉公館敷地内の外交史料館別館の2階にありました。この別館は、1988(昭和63)年に吉田茂記念事業財団(当時)から、吉田茂関係史料(書翰、書および写真等約320点)とともに寄贈されたものでした。
吉田茂関連の常設展示史料に加え、今回の特別展示では、吉田茂邸の2階応接間にあった吉田が尊敬していた人々の書翰が貼られている衝立、朝鮮戦争と冷戦への心構えを国民に訴えた吉田茂ラジオ放送「年頭の挨拶」自筆原稿、米寿祝の御礼風呂敷などの貴重な史料を取り揃えています。また、吉田茂よりL.E.バンカー宛書翰やマッカーサー署名本も展示いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
- 会場:外務省外交史料館展示室(地図)
住所:東京都港区麻布台1-3-1、麻布台ヒルズ森JPタワー5階
電話:03-3589-0369 - 開催期間:令和7年4月8日(火曜日)~5月31日(土曜日)
(日曜日、国民の祝日を除く) - 開館期間:午前10時~午後5時30分(最終受付:午後5時)
今回特別に展示する資料
吉田茂邸の2階応接間にあった衝立


吉田が尊敬していた人々の書翰が貼られている。それらの書翰は政局・時勢論から個人的な依頼や礼状まで幅広く、吉田の人物交流を伺うことができる。
- 表面:西園寺公望(元首相・元老)、山本権兵衛(元首相)、原敬(元首相)、鈴木貫太郎(元首相)、若槻礼次郎(元首相)、池田成彬(元蔵相)、牧野伸顕(吉田茂岳父・元内大臣)、竹内綱(吉田茂実父)、犬養毅(元首相)
- 裏側:岡田啓介(元首相)、幣原喜重郎(元首相)、鈴木貫太郎、犬養毅、米内光政(元首相)、牧野伸顕、古島一雄(元犬養毅側近)
吉田茂ラジオ放送「年頭の挨拶」自筆原稿
1951(昭和26)年元旦放送

米寿祝の御礼風呂敷
1965(昭和40)年

吉田茂よりL.E.バンカー宛書翰
1951(昭和26)年4月13日付


吉田茂より北沢直吉宛書翰
1939(昭和14)年2月24日付

吉田茂関連の常設展示史料

- 第一回吉田・ダレス会談記録(注)
- サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約:認証謄本)(注)
- 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧・日米安全保障条約:署名本書(注)
- サンフランシスコ平和条約受諾演説の原稿(注)
- 満州問題解決のための意見電報(吉田茂駐イタリア大使から外務大臣宛)
- パスポート(サンフランシスコ講和会議参加のために発給された戦後第一号公用旅券)
- サンフランシスコ講和会議全権団一行のサイン
- サンフランシスコ講和会議に携行した硯・筆・墨・水差し一式
- シガーケース
- 吉田茂が少女に送った手紙(小犬が生まれたらあげます、という内容)
- 牧野伸顕夫妻墓碑(拓本)
- 池田勇人に贈った書
- 吉田茂蔵書本2冊
- 御下賜の鳩杖
- 高杯・木杯(下賜品)
- 国葬儀案内状
(注)複製