外交史料館
外務省外交史料館 原本特別展示
「旧・日米安全保障条約」
2020(令和2)年度から、外交史料館に戦後に締結された条約書が本格的に移管されるようになりました。 本展示では、2021(令和3)年9月に移管された「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧・日米安全保障条約)」を、関連史料とともにご紹介します。
本条約は1951(昭和26)年9月8日、サンフランシスコ平和条約が署名された同じ日の午後に、日本と米国との間で結ばれました。その後、1960(昭和35)年に改正されましたが、本条約に基づく日米間の緊密な関係は、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わる中でも、日本の外交・安全保障の基軸であり続けています。
- 場所:外務省外交史料館別館展示室(地図)
- 開催期間:令和4年6月2日(木曜日)~令和4年9月13日(火曜日)
- 開館時間:10時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日を除く)
- 入場無料
展示史料
1951(昭和26)年9月8日
「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧・日米安全保障条約)」署名本書
サンフランシスコ平和条約を署名した同日午後に、米軍施設内で本条約の署名式が行われました。日本側は吉田茂(よしだ・しげる)総理が、アメリカ側はアチソン(Dean Acheson)国務長官、ダレス(John Foster Dulles)特使等4名が署名しました。極東における国際の平和と安全の維持に寄与するために、米国が日本国内に米軍を配備する権利が第一条に規定されています。
1952(昭和27)年4月15日
「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧・日米安全保障条約)」米国側批准書
本史料は、米国側の批准書で、本条約の内容に米国が同意したことを示した文書です。トルーマン(Harry S. Truman)大統領とアチソン国務長官により署名がなされ、米国の国旗を連想させる三色の綴じ紐の上に米国の国璽(ハクトウワシの図柄)が押されています。
本批准書は、1952(昭和27)年4月28日、ワシントンにおいて日本側批准書と交換され、これにより本条約は発効しました。
1951(昭和26)年9月7日
サンフランシスコ平和条約受諾演説の原稿
サンフランシスコ講和会議で吉田茂総理が署名式の前日に会場で読み上げた平和条約受諾演説の原稿です。9月4日から開催された講和会議での各国代表の意見等を考慮に入れて、直前に仕上げられたため、所々に加筆修正がみられます。演説では、平和、正義、進歩、自由に貢献する覚悟が語られるとともに、共産主義の脅威が迫るなか、武装をもたない「日本国民としては、他の自由国家の集団的保護を求める他はない」として日米安全保障条約を締結する理由を説明しています。