外務副大臣・外務大臣政務官

平成26年7月25日
カルワン・ジャマールDFR副長官
との会談
コバード・タラバーニーKRG副首相
への表敬
国内避難民一時待避所(教会)の視察

 7月23日(水曜日)及び24日(木曜日)の2日間にわたり,牧野たかお外務大臣政務官はイラク共和国(エルビル)を訪問したところ,概要は以下のとおりです。

1 訪問概要

 23日及び24日,牧野政務官は,イラク共和国のエルビルを訪問しました。23日にはエルビル臨時事務所を訪問し,邦人保護や日本企業支援に向けた体制を視察し,24日には,カルワン・ジャマールKRG(クルディスタン地域政府)外務庁副長官と会談したほか,コバード・タラバーニーKRG副首相を表敬しました。また,同日,イラク北部の都市モースルからの国内避難民(IDP)が待避しているエルビル市内の教会を訪問し,我が国の緊急人道支援が有効に活用されている現場を視察しました。

2  KRG要人への表敬・会談

(1)イラク情勢

 KRG側からは,クルディスタン地域(KR)の歴史・現状や,イラク政治・治安情勢の現状についての説明があり,これまでのJICAや国際機関を通じたクルディスタン地域への日本の支援に対する深い感謝の意が表明されました。またシリア難民や国内避難民への支援につき,予算が逼迫しているKRGの現状につき説明があった上で,日本政府からの引き続きの支援を得たいとの発言がありました。これに対し,牧野政務官は,クルド人を含むイラク国民が一体となって新政権を早期に樹立し,宗派対立を乗り越えて,イラクの国家的統一を回復することが重要であると述べました。また,KRGのシリア難民及び国内避難民支援の努力を評価するとともに,我が国としても,国内避難民の人道状況の改善を目的に国際機関経由で計600万ドルの支援を決定したことを伝達しました。

(2)日KR関係

 牧野政務官は,比較的治安が安定しているクルディスタン地域への日本企業の関心の高さに言及しつつ,現在進行中の3つの円借款案件やJICAによる農業技術支援等につき説明した上で,KRG側に対し,日本企業による投資促進のため,KRGによる日本企業へのさらなる支援や,基礎インフラの整備,治安の維持への引き続きの努力を求めました。これに対し,KRG側は,KRは治安が安定しており,また資源に恵まれた地域で投資機会にあふれていることを説明した上で,日本企業の更なる進出を期待すると述べ,様々な分野における日本との関係強化について強い期待を表明しました。

3 国内避難民(IDP)待避所の視察

 24日,牧野政務官は,キリスト教徒のIDPが一時的に待避している教会を訪問しました。教会及び世界食糧機関(WFP)の責任者やIDPより,我が国の支援(イラク北部での武力衝突により発生したIDPに対する国際機関を通じた600万ドルの支援(2014年6月27日に支援を決定))が迅速にIDPの手に届いていることに対して謝意が表明されるとともに,IDPの生活状況や我が国の支援の活用状況について説明を受けました。


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