アラブ首長国連邦
日・アラブ首長国連邦首脳会談
令和5年7月17日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
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現地時間7月17日午後1時00分(日本時間18時00分)から約60分間、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンUAE大統領(H.H. Sheikh Mohamed bin Zayed Al Nahyan, President of the United Arab Emirates)と首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、会談には、日本側から磯﨑仁彦内閣官房副長官、秋葉剛男国家安全保障局長他が、また、UAE側からは、マンスール副大統領兼副首相兼大統領官房相、サイフ副首相兼内相、ハーミド・アブダビ執行評議会委員、アブダッラー外相、ハーリド・アブダビ皇太子他が同席しました。また、岸田総理大臣とともにUAEを訪問した経済ミッション関係者とムハンマド大統領との挨拶の場が設けられるとともに、会談後には、ムハンマド大統領主催の午餐会が行われ、経済ミッション関係者も出席しました。
1 冒頭
岸田総理大臣から、日・UAE間の協力は、従来のエネルギー分野を超え、今や宇宙分野を含む多くの分野にわたっており、「包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ(CSPI)」の下、あらゆる分野での協力関係を更に強化していきたい旨述べました。これに対し、ムハンマド大統領からは、宇宙分野の協力への関心が示されるとともに、一層の二国間関係強化への強いコミットメントが表明されました。
2 エネルギー・環境・気候変動
- 岸田総理大臣から、UAEからの長年の原油の安定供給への謝意を表明し、UAEによる国際原油市場の安定化を主導する役割への期待を表明しました。
- 岸田総理大臣から、中東地域をクリーンエネルギー・脱炭素のグローバルなハブとする「グローバル・グリーン・エネルギー・ハブ」構想、及びこれにグリーン素材分野も合わせたより広い「グローバル・グリーン・ジャーニー」構想の実現に向け、今般両政府機関間で締結された覚書署名等も通じ、UAEと協力していきたい旨述べ、ムハンマド大統領の賛同を得ました。
- 岸田総理大臣から、本年1月に設立した「日・UAE先端技術協力スキーム(JU-CAT(ジューキャット))」、新たな枠組みである「エネルギー安全保障と産業の加速化枠組み」及び「半導体・電池対日投資協力枠組み」を柱とする「日・UAEイノベーション・パートナーシップ」を打ち出し、先端技術分野の協力を強化したい旨表明し、ムハンマド大統領の賛同を得ました。
- 両首脳は、気候野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する協力の強化や、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の成功に向け、国際社会における気候行動を主導することで一致し、「気候行動に関する日・UAE共同声明」(仮訳(PDF)/英文(PDF))を発出しました。
- 岸田総理大臣から、農業分野の協力覚書の署名を歓迎するとともに、日本の技術を活用した農業ビジネスの展開等の協力を表明しました。
3 貿易・投資・観光
- 岸田総理大臣から、日・UAEビジネスカウンシル設立文書の署名を歓迎するとともに、日本企業のUAEへの投資の関心は高く、今回も多数の企業が経済ミッションとして同行している旨を述べました。UAE側からは、両国の関心のある分野への共同の投資を通じ連携していきたい旨の発言がありました。
- 岸田総理大臣から、2021年の日本政府観光局ドバイ事務所の開設、2022年からのUAE一般旅券所持者に対する査証免除措置の導入、観光分野の協力覚書への署名に言及した上で、観光面での利便性や連携の向上を期待する旨述べました。
4 外交・安全保障
- 両首脳は、CSPIの協議の枠組みの下で各分野の会合の成果を確認すべく、本年中に閣僚級会合を開催することで合意しました。
- 両首脳は、本年5月に防衛装備品・技術移転協定に署名したことを歓迎するとともに、防衛分野での協力強化につき一致しました。
- 両首脳は、地域及び国連安保理を含む国際場裡における協力の強化につき一致しました。
5 教育・文化・科学技術等
6 国際・地域情勢
- 岸田総理大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を擁護する立場から、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みを決して許さないことを強調しました。これに対し、ムハンマド大統領から、国家主権に対する如何なる侵略も受け入れられないとして賛同の意が表明されました。
- 両首脳は、東アジア情勢、中東情勢及びウクライナ情勢についても、意見交換を行い、国際場裡で一層緊密に連携していくことを確認しました。
【参考】協力覚書等一覧(PDF)