パレスチナ

令和5年11月3日
正面を向き、握手を交わす、両外相の様子
テーブルにつき、会談を行う、両外相の様子

 現地時間11月3日午後0時45分(日本時間同日午後7時45分)から約50分間、パレスチナを訪問中の上川陽子外務大臣は、リヤード・マーリキー・パレスチナ外務・移民庁長官(H.E. Dr. Riad Malki, Minister of Foreign Affairs and Expatriates of Palestine)との間で、日・パレスチナ外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、ガザ地区を巡る現下の情勢を深刻な懸念をもって注視している旨述べ、ガザ地区において亡くなられた市民の遺族への追悼の意、負傷者に対するお見舞いを伝えました。これに対し、マーリキー長官からは、ガザ地区の住民が非常に深刻な人道状況に直面している、西岸においても緊張・暴力が高まっている旨発言がありました。
  2. 上川大臣は、日本は、ハマス等のパレスチナ武装勢力によるイスラエルへのテロ攻撃を断固として非難した上で、(1)人質の即時解放・一般市民の安全確保、(2)全ての当事者が国際法に従って行動すること、(3)事態の早期沈静化、を一貫して求めてきている旨述べました。また、ガザ地区における極めて深刻な人道状況、とりわけ未来ある子供や、女性・高齢者が被害に遭っていることを踏まえ、ガザ地区の人々一人一人に、一日も早く必要な支援を届けることが目下の優先課題であることから、既に決定している1,000万ドルの緊急無償資金協力に加え、当面の措置として、パレスチナに対し、今後約6,500万ドルの追加的な人道支援及びJICAを通じた支援物資の供与を行うべく取り組んでいる旨伝達しました。これに対し、マーリキー長官は、日本の支援に謝意を表明し、パレスチナ自治政府は、ガザ地区での人道アクセスの確保に日本と協力していく旨述べました。また、上川大臣から、邦人の安全確保について協力を求め、両者で協力していくことを確認しました。
  3. さらに、上川大臣から、「二国家解決」を支持する日本の立場は不変であることを改めて伝達し、その実現に向けて協力していくことを確認しました。
  4. 双方は、一般市民の安全確保や事態の早期沈静化に向けて、引き続き協力していくことで一致しました。

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