安倍総理大臣

平成26年5月12日
(写真提供:内閣広報室)
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 本12日午後6時から約1時間15分間,安倍内閣総理大臣は官邸において,公式実務訪問賓客として来日中のネタニヤフ・イスラエル首相と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,会談後,「日イスラエル共同声明(英文(PDF)PDF骨子(PDF)PDF仮訳(PDF)PDF)」発出されました。

1 二国間関係

(1)政治・安全保障

 安倍総理から,長年の友好関係を基礎に,更なる関係強化を目指す意向を表明。両首脳は,首脳・閣僚級,高級事務レベルの交流活性化,特に安全保障・防衛分野では,国家安全保障局間の意見交換開始,防衛当局間の交流促進,サイバー・セキュリティ分野の協力を確認。また,安倍総理は「積極的平和主義」の立場から,地域・国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献し,自由や民主主義といった価値を共有するイスラエルと協力していく旨述べたのに対し,ネタニヤフ首相から,これを歓迎し,支持する旨表明。

(2)経済関係

 安倍総理から,投資協定の交渉立上げに向けた作業開始,また,産業分野の共同研究開発,宇宙分野を含む科学技術,食文化,観光等の分野での協力促進を提案。ネタニヤフ首相はこれらを歓迎するとともに,イノベーション分野での二国間協力の可能性を強調した。また,ネタニヤフ首相は,東日本大震災後にイスラエルで課された輸入規制の撤廃の決意を表明。

(3)人物・文化交流

 安倍総理から日イスラエル間の合意済みの直行便就航の実現を促すとともに,国会議員交流や教育交流の拡大,ワーキング・ホリデー制度導入の協議開始を提案し,ネタニヤフ首相はこれらを歓迎。また,両首脳は柔道指導者のイスラエル・パレスチナへの派遣や,女性の活躍促進に向けた協力について一致。

2 地域情勢

(1)中東和平

 安倍総理から,(ア)中断した和平交渉をできるだけ早く再開することが両当事者の利益となる,(イ)入植活動を含め,交渉の妨げとなる一方的措置の最大限の自制を求める,(ウ)両当事者が平和共存する「二国家解決」に向け,日本は積極的な役割を果たしていく,との3点を強調。また,安倍総理は日本の対パレスチナ支援の現状を説明し,特に地域協力を通じてパレスチナの経済発展を目指す「平和と繁栄の回廊」構想に対するイスラエルの一層の協力を要請。これに対して,ネタニヤフ首相からは,これまで二国家解決に向けた協力,入植活動の凍結,パレスチナ囚人の解放等に努力してきた旨説明した上で,パレスチナ側がハマスとの国民和解を進め統一政府を目指すことは,和平実現の準備ができていないことの証左であり残念である旨発言。

(2)中東情勢

 両首脳は,イランやシリア等の中東地域情勢について議論。特にイランについては,安倍総理から,(ア)イランの核問題の外交的・平和的解決は地域安定化に不可欠,(イ)昨年にはローハニ大統領と会談し,その後,岸田外相をイランに派遣するなど日本は独自の働きかけを実施,(ウ)国際社会が現在の共同作業計画に基づくEU3+3とイランの取組を支持し,建設的な役割を果たすことが重要,との立場を表明。ネタニヤフ首相は,イランの核プログラムに懸念を表明し,同問題の解決の必要性を強調。

(3)アジア情勢

 安倍総理から,厳しさを増す東アジアの安全保障環境を説明。両首脳はアジア・太平洋地域の平和と安定に向けて協力を強化していくことを確認。


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