メキシコ合衆国
茂木外務大臣のメキシコ訪問
令和3年1月4日
メキシコ合衆国を訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間1月4日午後5時(日本時間5日午前8時)から約1時間15分、マルセロ・ルイス・エブラル・カサウボン・メキシコ合衆国外務大臣(H.E. Mr. Marcelo Luis Ebrard Casaubón、 Secretary of Foreign Affairs of the United Mexican States)との間で外相会談を行いました。また、それに先立ち、午後3時(日本時間5日午前6時)から約1時間、タティアナ・クルティエル・カリージョ・メキシコ合衆国経済大臣(H.E. Ms. Tatiana Clouthier Carrillo、 Secretary of Economy of the United Mexican States)とも会談したところ、それら会談の概要は以下のとおりです。
今回の茂木大臣のメキシコ訪問では、両大臣とじっくりと意見交換を行うことを通じ、今月にバイデン新政権が発足する米国とも緊密な関係を有するメキシコと、戦略的な連携を一層強化していくことを確認しました。
今回の茂木大臣のメキシコ訪問では、両大臣とじっくりと意見交換を行うことを通じ、今月にバイデン新政権が発足する米国とも緊密な関係を有するメキシコと、戦略的な連携を一層強化していくことを確認しました。
1 マルセロ・ルイス・エブラル・カサウボン外務大臣との会談


- 冒頭、茂木大臣から、メキシコは日本にとって、基本的価値を共有する戦略的グローバルパートナーであり、二国間関係のみならず、自由で開かれた国際秩序の維持強化のため一層緊密に連携したい旨述べました。これに対し、エブラル大臣から、茂木大臣のメキシコ訪問を歓迎した上で、大臣の考えに賛同する、メキシコは本年及び来年の国連安保理非常任理事国であり、日本と協力していきたい旨述べました。
- 茂木大臣から、新型コロナの感染収束のためには国際的連携が不可欠であり、メキシコへの約570万ドル相当の医療機材供与を実施中であると説明したのに対し、エブラル外相から日本の支援に対する感謝が示されました。
- 両大臣は、両国の経済関係が近年飛躍的に拡大したことを確認し、茂木大臣からは、日系進出企業はビジネス環境の整備を期待していることを伝えるとともに、コロナ禍において事業継続、雇用維持のため多大な努力をしている進出日系企業への支援を要請しました。これに対し、エブラル外相から、ビジネス環境の整備に留意するとともに、日本の更なる企業進出・投資拡大への期待が寄せられました
- 茂木大臣から、メキシコが本年及び来年の国連安保理非常任理事国に選出されたことを改めて祝福するとともに、拉致、核、ミサイル問題を含む北朝鮮への対応を始め、地域・国際社会の諸問題について連携したい旨述べました。これに対して、エブラル外相から、メキシコは、北朝鮮を含め核不拡散の問題を重視しており、この分野における日本のいかなる取組も支持できる旨述べました。
また、両大臣は気候変動などの地球規模課題の分野でも連携していくことを確認しました。 - 両大臣は、自由貿易の推進のため、WTOやTPP11でも協力していくことを確認しました。両大臣は、メキシコと日本が、昨年及び今年のTPP委員会の議長国として、TPP11の着実な実施と拡大に向けて引き続き連携していくことを確認しました。
- 茂木大臣から、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の実現に向けた我が国の取組を説明するとともに、日本はメキシコと共に、TPP11など自由で公正な経済圏を広げるための制度やルールの整備を主導してきたことを指摘しつつ、中南米において主導的な立場にあるメキシコと自由で開かれた秩序の維持・強化のために緊密に連携したいと呼びかけました。これに対して、エブラル外相から、FOIPについていかなる協力ができるか日本と協議していきたいと応じました。
- 両大臣は、北朝鮮情勢、東シナ海及び南シナ海情勢など地域情勢についても意見交換を行いました。
2 タティアナ・クルティエル・カリージョ経済大臣との会談


- 冒頭、茂木大臣から、クルティエル経済大臣の就任へのお祝いを述べました。クルティエル経済大臣から、就任直後に茂木大臣とお会いできて嬉しい、日本とメキシコの経済関係を強化していきたい旨述べました。
- 両大臣は、2005年の日墨EPAの発効以降、日本とメキシコの経済関係が、貿易量は2倍、進出日系企業は4倍と大きく発展していることを歓迎し、日墨EPAの運用及び諸課題について意見交換しました。
- 茂木大臣から、メキシコのビジネス環境の整備と安定化を要請するとともに、メキシコにおいて事業継続、雇用維持に努めている進出日系企業への支援を要請しました。これに対して、クルティエル経済大臣から、日本の要望についてはメキシコ政府部内で共有し、ビジネス環境改善に取り組んでいきたい旨の発言がありました。
- 両大臣は、メキシコと日本が昨年及び今年のTPP委員会の議長国として、TPP11の着実な実施と拡大に向けて引き続き連携していくことを確認しました。
- また、茂木大臣から、進出日系企業の関心が高い米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の運用についての進出企業への情報提供を要請しました。また、両大臣は、多角的貿易体制の礎であるWTO改革の実現に向けて協力していくことを確認しました。