報道発表

日・グアテマラ外相会談及びワーキング・ディナー

令和6年5月22日
カルロス・ラミロ・マルティネス・グアテマラ外務大臣と握手する上川外務大臣
カルロス・ラミロ・マルティネス・グアテマラ外務大臣と懇談する上川外務大臣

 5月22日、午後6時30分から、上川陽子外務大臣は、訪日中のカルロス・ラミロ・マルティネス・グアテマラ共和国外務大臣(H.E. Mr. Carlos Ramiro Martínez, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Guatemala)との間で、日・グアテマラ外相会談(約30分間)及びワーキング・ディナー(約1時間10分)を行ったところ、概要は以下のとおりです。両外相は外相会談後、無償資金協力「経済社会開発計画(上下水道整備関連機材(ポンプ、クレーン車等)の供与)」に関する交換公文、及び、日・グアテマラ政策協議の立上げに係る覚書の署名式を行いました。

  1. 冒頭、上川大臣から、マルティネス外相の訪日を歓迎した上で、日本にとってグアテマラは来年外交関係90周年を迎える友好国であるとともに、自由、民主主義、法の支配、市場経済等の価値と原則を共有する重要なパートナーである旨発言がありました。また、グアテマラの大阪・関西万博への参加、及び、アレバロ政権との間での活発なハイレベル対話を歓迎し、一層連携したい旨発言がありました。
     これに対し、マルティネス外相は、今回の日本政府の歓待に感謝するとともに、日本との関係を重視する姿勢を述べた上で、日本の「中南米外交イニシアティブ」を高く評価するとともに、同イニシアティブに基づき、二国間及び多国間で、移民及び防災対策、また民主主義や法の支配及びWPSを含めたジェンダーバランスにおける連携を更に強化していきたい旨発言がありました。
  2. 上川大臣は、中南米外交イニシアティブの下、両国の協力の軸として、(1)価値と原則、(2)移民・貧困・治安、(3)WPS・ジェンダーを、第三国との連携も活かし進めていくことを提案し、マルティネス外相と一致しました。
     具体的には、第一に、上川大臣は、価値と原則を堅持するグアテマラと、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化を含め、連携を更に深めたいとして、今般署名する二国間の政策協議の立上げに係る覚書を両国の一層の政策協調のための枠組としたい旨発言がありました。
     また、第二に移民問題対策として、UNICEFに対する約330万ドルの拠出を通じた日本の人道支援の実施表明を行ったほか、移民や治安問題の根本原因への対処として、上下水道整備に係る無償資金協力の開始、日系企業の投資等につき述べ、日本は主要ドナーとして引き続きグアテマラの持続可能な経済社会開発を支援していく旨発言がありました。
     さらに、第三に、WPSを含めたジェンダー平等に関し、アレバロ政権の取組に敬意を表するとともに、WPSフォーカル・ポイント・ネットワーク等の国際枠組を通じた連携を一層深めたい旨発言がありました。
  3. これに対し、マルティネス外相は、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けた連携強化に同意し、二国間の政策協議の立上げへの歓迎と期待を述べました。また、日本の長年の協力及び今般の新規案件実施への深い謝意を述べ、日本の開発協力に対する引き続きの高い期待を述べました。さらに、WPSを含めたジェンダー問題については、アレバロ政権は、閣僚の半数を女性として発足し、他の政府高官にも女性が多くいることなど紹介しました。
  4. 両外相は、中国・台湾及び北朝鮮を含む東アジア情勢、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢等の地域情勢や安保理改革、軍縮・不拡散等国際場裡における協力について意見交換を行い、国際社会を分断や対立ではなく協調に導くためには価値や原則を共有する同志国の連携がこれまでになく重要であるとの点で一致しました。特に、マルティネス外相から、グアテマラの台湾支持は不変であり、来年外交関係90周年を迎えることを説明しました。また、意見交換の中で、マルティネス外相から、グアテマラは核軍縮と気候変動を重視している旨述べ、核軍縮においてはグアテマラを常に同志国と捉えてほしいと述べ、北朝鮮の核・ミサイル活動への非難及び拉致問題における日本への引き続きの支持が表明され、今回立ち上げた政策協議は、本日扱ったテーマについて議論を続ける枠組であると述べました。

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