安倍総理大臣

平成25年3月6日

 本6日午後5時20分より約10分間、安倍晋三内閣総理大臣は、来日中のイスメト・ユルマズ・トルコ国防大臣の表敬を受けたところ、概要は以下のとおりです。

  1. 安倍総理から、トルコは日本にとって重要なパートナーであり、エルトゥールル号事件以来続く友好関係を更に強化したい旨述べました。更に、安倍総理から、両国の防衛当局間の協力・交流が進んでいることを歓迎するとともに、シリア問題等の地域情勢についても両国間の意見交換を更に強化したい旨述べました。
  2. ユルマズ大臣から、日本の円借款により工事が行われているボスポラス海峡横断地下鉄整備事業を始めとする大型プロジェクトや防衛当局間の協力等において両国間の関係が一層強化されることへの期待が表明されました。
  3. また、安倍総理から、イラン・イラク戦争中にテヘランから邦人を救出したパイロットの御逝去に対して弔意を表明しました。
(参考1)エルトゥールル号事件

 1890年、オスマン帝国がエルトゥールル号にて使節団を派遣。明治天皇への謁見後、帰国時に和歌山県串本町沖で遭難、581人が死亡。付近住民の必死の協力で69人を救出、日本海軍の巡洋艦で丁重に送還。義捐金も多数寄せられた。この時の日本の官民を挙げての支援がトルコ人の心を打ったと言われ、悲劇的な事故ではあったが、両国の友好関係の原点になった。

(参考2)トルコ航空機によるテヘランからの邦人救出

 1985年3月、イラン・イラク戦争が続く中、イラクはテヘランに対する空爆を開始し、イラク政府は、民間航空機も含め、イラン領空の全ての航空機を攻撃対象にする旨発表した。テヘランに滞在する邦人約250名がイラン脱出を希望していたが、外国の航空会社は自国民の搭乗を優先したため、イラクが設定した期限までにイランから脱出できる見込みは絶望的な状況にあった。しかし、日本側関係者からの働きかけの結果、オザル・トルコ首相(当時、故人)の決断により、テヘランの邦人救出のため、トルコ航空の特別機がトルコからイランに派遣され、イラク政府が設定した攻撃期限までに、脱出を希望していたほぼ全員の邦人がイランからトルコに脱出した。


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