安倍総理大臣
日・ブルネイ首脳会談(概要)


本13日午前11時20分頃から約35分間,安倍晋三内閣総理大臣は,来日中のハサナル・ボルキア・ブルネイ国王との間で日・ブルネイ首脳会談を行い,引き続いて約50分間,安倍総理主催昼食会が行われたところ,概要は以下のとおりです。
冒頭,安倍総理から,ボルキア国王の来日を歓迎するとともに,本年は日・ASEAN友好協力40周年であり,ボルキア国王のリーダーシップの下でブルネイがASEAN議長国を務める重要な年であるとして,本年のASEAN関連会合を成功させるために日本は最大限の協力を惜しまない考えである旨を表明しました。これに対し,ボルキア国王からは,日・ブルネイ関係は,長年にわたり,特にエネルギー関係で極めて良好な関係にあるが,近年では,教育,青少年交流その他の分野でも両国関係が強化されており,来年の日・ブルネイ外交関係樹立30周年を契機に更に強化していきたい旨述べました。
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二国間関係
(1)両首脳は,本年に入り,外務大臣の相互訪問の実現など両国のハイレベルで緊密な意思疎通が図られていることを共に歓迎し,あらゆるレベルで政策対話を強化していくことで一致しました。
(2)経済面においては,両首脳は,2007年6月に両首脳間で署名した日・ブルネイ経済連携協定の下で貿易・投資関係が順調に発展していることを歓迎しました。また,安倍総理から,ブルネイからの長年にわたる液化天然ガス(LNG)の安定供給に謝意を表明するとともに,ブルネイが進める産業多角化及び雇用創出に貢献し,再生可能エネルギーや省エネルギー分野でも日本の技術を活かした協力を進めたい旨を述べたのに対し,ボルキア国王から,日本はブルネイにとって最大の貿易相手国であり,良好な経済関係を引き続き強化したい旨が述べられました。
(3)政治・安全保障面においては,安倍総理から,6月にブルネイで開催される拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)の多国間実動演習の成功に向けて尽力したい旨述べ,両首脳は,災害救援や海上安全保障などの分野でも協力関係を強化していくことを確認しました。
(4)また,安倍総理から,「JENESYS2.0」の下でブルネイからも多くの青少年を招へいしたい旨述べ,両首脳は,将来を担う世代の交流を通じ,友好関係を一層発展させていくことで一致しました。
地域情勢
(1)安倍総理から,日本は、アジア太平洋地域の平和と繁栄のために積極的な役割を果たしていく考えであり,1月のインドネシア訪問の際に表明した「対ASEAN外交5原則」に基づき,ブルネイを含むASEAN諸国との協力関係を強化していく旨を表明しました。また,安倍総理から,本年の議長国としてのボルキア国王の努力に敬意を表するとともに,2015年のASEAN共同体構築を積極的に後押ししていく旨を述べ,両首脳は,10月のASEAN関連首脳会議及び12月の日・ASEAN特別首脳会議の成功に向けて緊密に連携していくことで一致しました。
(2)TPPに関し,安倍総理から,ブルネイの協力もあり交渉参加の見通しが立ったとして,日本の交渉参加に対するブルネイの支持に謝意を表するとともに,引き続きブルネイからの協力をお願いしたい旨を述べました。これに対し,ボルキア国王から,日本の交渉参加を歓迎するとともに,日本の参加によってTPPの重要性が更に増すとの考えが述べられました。
(3)また,両首脳は,北朝鮮等のアジア太平洋地域情勢についても意見交換を行いました。