岸田外務大臣

平成25年6月1日
 本1日午前11時50分から約40分間,横浜で開催中の第5回アフリカ開発会議(TICADV)会場内において,岸田文雄外務大臣は,潘基文(パン・ギムン)国際連合事務総長と会談を実施したところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭,岸田大臣から,潘基文事務総長のTICADVへの参加を歓迎し,アフリカの平和と安定や開発で国連と一層協力していきたい旨述べました。潘基文事務総長は,日本政府のTICADV開催のイニシアティブを評価し,アフリカへの日本の貢献に感謝しました。

2 岸田大臣からシリア情勢への懸念を表明し,双方は2回目のジュネーブ会議開催に向け協力することで一致しました。また,岸田大臣から,昨日のソマリア特別会合に言及しつつ,今後もソマリアの国造りへの貢献の意思を表明しました。潘基文事務総長から南スーダンPKOでの日本の貢献への感謝が表明され,岸田大臣から先日日本政府が南スーダンでの自衛隊活動の拡大を決定したことを伝えました。さらに,北朝鮮によるミサイル・核実験への対応や拉致問題について日本と国連が緊密に協力していくことで一致しました。

3 岸田大臣と潘基文事務総長は安保理改革を含む国連改革の重要性も再確認しました。ポスト2015年開発アジェンダでは,岸田大臣がその重要性を強調し,TICADVにおいても人間の安全保障等の重要なコンセプトを含む力強いメッセージを発出したいと述べました。また,岸田大臣は国家の発展におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性を指摘しつつ,ポスト2015年開発アジェンダにおいてもUHCが掲げられることを重視すると述べました。潘基文事務総長からは,人間の安全保障分野やUHCにおける日本の貢献への評価と期待が表明されました。

4 岸田大臣から,潘基文事務総長が女性を巡る課題を重視していることを評価すると述べて,紛争下の性的暴力防止に関する国連の取り組みへの計約450万ドルの拠出や,女性・平和・安全に関する「国別行動計画」策定への着手などの取り組み強化を紹介しました。

5 最後に,潘基文事務総長から,仙台での第3回国連防災世界会議開催についての日本の努力への高い評価が伝えられ,また武器貿易条約発効に向けた日本政府への協力要請がありました。岸田大臣から,国連防災世界会議の成功に向けた潘基文事務総長の協力を要請し,武器貿易分野でも引き続き積極的かつ建設的な役割を果たしていく考えを表明しました。

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