岸田外務大臣

平成25年9月27日
 26日(14時20分から約50分間)(NY時間),岸田外務大臣は,尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官との間で日韓外相会談を行ったところ,概要以下のとおり(同席者:日本側から,杉山外務審議官,伊原アジア大洋州局長ほか,韓国側から,呉俊(オ・ジュン)国連大使ほか)。
 
1 今回の外相会談は,7月のブルネイにおける会談に引き続き二度目であり,日韓関係の前進に向け率直な意見交換を行い,外務大臣間,外交当局間で意思疎通を行うことの重要性を確認すると共に,引き続き様々なレベルで意思疎通を続けていくことで一致した。
 
2 (1)冒頭,尹長官から,(ア)2020年の東京オリンピック開催決定への祝意,(イ)日韓交流おまつりの成功を歓迎するとともに,岸田外務大臣の参加は日韓文化交流にとって大きな力となったこと,(ウ)韓日は協力すべきであるが,そのためには,過去の傷を癒すリーダーシップが必要であることを述べた。
(2)これに対し,岸田大臣から,7月の外相会談以来,日韓間の意思疎通が続いていることを歓迎した上で,(ア)2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックと東京オリンピックが共に成功するよう協力していきたい,(イ)日韓交流おまつりに参加し,日韓国民間の草の根レベルの強固な関係を実感した,こうした関係を支えに,日韓関係を前進させていきたい旨述べた。
 
3 尹長官から,真のパートナーになるためには,相互の信頼関係が重要であると述べた上,歴史認識の重要性について言及があり,岸田大臣から,安倍内閣は,歴史認識に関する歴代内閣の立場を引き継いでいる,韓国側には,こうした日本側の立場をしっかりと受け止めていただき,共に関係をマネージしていきたい旨述べた。
 
4 岸田大臣から,経済や安全保障を始めとした様々な分野での協力や日韓国交正常化50周年を迎える2015年に向けた協力の重要性を指摘した。また,大臣から,韓国における旧民間人徴用工を巡る裁判について,日本側の立場を改めて伝達した。更に,大臣から,韓国政府による日本産水産物輸入に対する措置について,日本側の立場を改めて伝達し,汚染水対策に万全を期し,引き続き情報提供を行う旨伝えると共に,科学的根拠を踏まえ,韓国側が措置を撤廃するよう要請した。この他,竹島問題,慰安婦問題,九州・山口の近代化産業遺産群の世界遺産登録,我が国における反韓デモについてもやりとりがあった。
 
5 北朝鮮問題に関し,岸田大臣から,拉致,核,ミサイル問題に関し,両国は立場や利益を共有している旨述べ,両外相は,問題の解決に向けて,引き続き協力していくこととなった。

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