岸田外務大臣

平成25年9月25日

 9月24日午前11時頃(現地時間)から約30分間,国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の岸田文雄外務大臣は,ナビール・ファハミ・エジプト外務大臣との間で外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1.エジプト情勢

 岸田大臣から,エジプトは民主政治に向けた困難な道のりの過程にある,暫定政府が治安を早期に安定させ,ロードマップを適切に遂行し,民主化プロセスを着実に前進させることを期待する旨発言しました。
また,ロードマップに従い,憲法改正作業等が着実に進んでいることは一つの前向きな動きと認識している,国民和解のための包括的な政治プロセスを進めていくことが重要である旨発言しました。
さらに,治安確保の重要性は理解するが,暴力の回避と最大限の自制など人権に関わる問題にも適切な対応を期待する,昨日ムスリム同胞団の活動禁止を命じる判決が出されたと承知するが,今後の国民和解,社会安定化の観点から心配している旨発言しました。

 これに対しファハミ外相から,ロードマップに沿って新憲法の制定,議会選挙,大統領選挙を実施していく予定である,ロードマップへのコミットメントは不変であるが,エジプトは現在暴力・テロ行為や,政治勢力の二極化という事態に直面しているとの事情を理解いただきたい旨述べました。

2.二国間関係

 岸田大臣から,日本はエジプトとの伝統的な良好な二国間関係を維持・強化していくとともに,エジプトが困難を乗り越え,民主的体制への平和裡かつ円滑な移行や経済社会の安定を実現すべく,古くからの友人として,民主化プロセスの進展を見極めながら,引き続き国際社会と協力しつつ,必要な支援を行っていく旨発言しました。また,本年12月に予定される「第3回日本・アラブ経済フォーラム」の機会に,ファハミ外相をはじめとするハイレベルの代表者に出席していただきたい旨述べました。

 これに対しファハミ外相から,自分は駐日大使の経験があり,日本との関係の重要性をよく理解している,スエズ運河平和橋,日エジプト科学技術大学(E-JUST),大カイロ博物館建設等の日本の長年にわたる支援に感謝している,岸田大臣にカイロでお会いできる日を楽しみにしている旨述べました。

3.地域情勢

 両外相は,シリア情勢,中東和平等の中東地域情勢についても意見交換を行いました。


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