安倍総理大臣
安倍総理大臣のトルコ共和国訪問(概要)
平成25年5月4日




安倍晋三総理大臣は,5月3日(水曜日),トルコを訪問したところ,各行事の概要は以下のとおり。
1.主な行事等
- (1)日本トルコ合同経済委員会への出席
- (2)アタテュルク廟への献花
- (3)土日(とにち)基金文化センター訪問
- (4)日トルコ首脳会談,署名式,共同記者発表及び晩餐会
2.概要・成果
- (1)日本トルコ合同経済委員会への出席
- 安倍総理は,午前9時05分から約40分間,日本トルコ合同経済委員会に出席し,日トルコ両国の企業関係者に対し,日トルコ関係の一層の発展に貢献していただきたい旨呼びかけるとともに,日本政府としても両国の経済関係のより一層の発展に尽力する旨挨拶を行った。
- (2)アタテュルク廟への献花
- 安倍総理夫妻は,午前10時05分から約20分間,トルコ初代大統領の霊廟である「アタテュルク廟」を訪問し,アタテュルクの棺に献花を行った。
- (3)土日基金文化センター訪問
- 安倍総理夫妻は,午前10時40分から約40分間,土日基金文化センターを訪問し,チチェッキ・トルコ大国民議会議長夫妻との懇談,同センター設立15周年を記念した展示会「日本の風」のオープニングのテープカットを行った。
- (4)日トルコ首脳会談,署名式,共同記者発表及び晩餐会
- 安倍総理は,午後1時50分から午後5時45分まで(途中内外記者会見のため約1時間半中断),トルコ首相府での歓迎式典に続いて,エルドアン・トルコ首相と首脳会談を行った。中断後の首脳会談は,両国の主要経済関係者を交えた形で行われた。会談後,両首脳は「戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言」(英文 (PDF)
/和文仮訳 (PDF)
)に署名し,あらかじめ署名を完了していた原子力協定及び「トルコ共和国における原子力発電所及び原子力産業の開発のための協力に関する日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定」(英文 (PDF)
/和文 (PDF)
(注)を首脳間で交換し,共同記者発表を行った。その後午後6時55分から,エルドアン首相主催による晩餐会が行われた。
(注):「トルコ共和国における原子力発電所及び原子力産業の開発のための協力に関する日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定」は令和3年6月22日に終了した。)
首脳会談での意見交換の概要は以下のとおり。
「政治」
- 安倍総理から,エルドアン首相の訪日を招請し,エルドアン首相から,可能な限り早期に日本を訪問した旨応じた。また,外相間の定期協議を立ち上げ,今年度中にダーヴトオール外相の訪日により第1回協議を日本で開催することで一致した。エルドアン首相からは,本年10月のボスポラス海峡横断地下鉄開通式典への安倍総理出席を招請した。
- 外務当局を始め,財務,保健,教育,文化,防衛,治安,防災分野での協議,対話,協力を進めることで一致した。
- シリアについて,エルドアン首相から,情勢の深刻化,特に大量の難民流出への懸念を表明したのに対し,安倍総理から,トルコの難民受入れに敬意を表すると共に,我が国の人道支援等の取組についても説明し,連携して対処することで一致した。
- 国際場裡での協力については,テロとの闘い,軍縮・不拡散,アフガニスタン警察官訓練等の第三国に対する援助といった分野において引き続き協力していくことを確認した。
「経済」
- 両国間の貿易・投資を促進し,両国の経済関係を更に高いレベルに引き上げること,この関連で,日トルコEPA交渉の将来の妥結へのプロセスを加速することで一致した。
- 原子力については,エルドアン首相から,シノップ原発について日本に排他的交渉権を付与する旨表明があり,安倍総理から,本日2つの協定が署名されたのは喜ばしい旨述べた。
- 通信放送衛星事業,ボスポラス海峡横断地下鉄,イズミット湾横断道路橋を始めとする各分野における日本企業のトルコでのプロジェクトへの参加や投資等の協力が進んでいることを歓迎し,今後ともこれらの分野で日本が更に貢献していくことへの期待を表明した。
「文化・人的交流」
- 防災分野について,安倍総理から,トルコのような所得水準の高い国でも我が国の知見,技術が活用できるよう円借款を制度改善した旨述べ,この分野での協力を進めることで一致した。
- 科学技術について,エルドアン首相から,科学技術に関する日トルコ合同での大学設立について提起があった。安倍総理からは,関係機関間の覚書を始め科学技術分野での協力を進めていきたい旨述べた。
- 宇宙分野について,安倍総理から,トルコの宇宙事業発展のため,日本として今後とも官民一体となって支援したい旨述べた。