12月7日(現地時間6日午後1時から午後3時半頃まで),前原誠司外務大臣は,米国ワシントンに出張し,米国務省において,クリントン米国国務長官及び金星煥(キム・ソンファン)韓国外交通商部長官と日米韓外相会合を行ったところ,概要以下のとおり。
三外相は,本件会合後に共同記者会見に臨むとともに,日米韓三カ国共同声明(ポイント・仮訳・英文)を発出した。
- 三外相は,本件会合において,主として北朝鮮情勢につき突っ込んだ意見交換を行った。特に,延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件及び最近北朝鮮が公表したウラン濃縮活動等の北朝鮮の挑発行動については,北東アジアの平和と安定のため,日米韓の三カ国が引き続き緊密に連携して取り組むという強い決意をもって臨むことを確認した。
- (1)三外相は,主に,具体的に以下の点につき一致した。
- 延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件について北朝鮮を強く非難する。
- 北朝鮮が挑発的態度を止め,休戦協定のほか,二国間及び国際的な義務を遵守する必要がある。
- 北朝鮮の挑発的かつ好戦的な態度は,三カ国すべてを脅かすものであり,そのような態度には三カ国すべてが結束して対応する。
- 北朝鮮のウラン濃縮計画について重大な懸念を共有する。
- 朝鮮半島の非核化のため,北朝鮮に改めて六者共同声明の遵守を求め,対話に先立ち具体的な行動が必要である。
- 六者会合の議長国である中国が北朝鮮との関係でより一層大きな役割を果たすことを期待する。
- 中国及びロシアと連携を一層強化していく。
- 北朝鮮の大量破壊兵器の拡散を防止するための多国間の協力を強化していく。
- 必要に応じ国内措置を強化することを含め,安保理決議を引き続き着実に実施していく。
- 安保理を含む今後の対応ぶりについては,引き続き日米韓で緊密に連携していく。
- (2)前原大臣から,ロシア及び中国との連携を強化する観点から,今週,齋木アジア大洋州局長をロシア及び中国に派遣することを紹介し,また,米国は,今週,マレン統参本部長等を韓国及び日本に派遣すること等,日米韓として外交上の取組を強化していくことで一致した。
- (1)三外相は,主に,具体的に以下の点につき一致した。
- このほか,民主主義や市場経済等の基本的価値を共有する日米韓三カ国が,地域及びグローバルな課題に緊密に取り組んでいくことを確認した。東アジア首脳会議(EAS)への米国の参加を歓迎しつつ,協力を進めていくことを確認した。また,日米韓三カ国として,援助協調,アフガニスタン,中東和平,イランの核問題,海賊,海上安全保障等につき引き続き協力していくことを確認した。さらに,本年11月に韓国と日本が各々主催したG20及びAPEC首脳会合の成功にも言及があり,米国がAPECを主催する来年に向け,世界経済の成長・安定のために引き続き協力していくことを確認した。