外務大臣

日米韓三か国共同声明

平成22年12月6日
ワシントンD.C.
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  1. 前原誠司日本国外務大臣,金星煥(キム・ソンファン)韓国外交通商部長官,ヒラリー・クリントン米国国務長官は,2010年12月6日,ワシントンD.C.において,日米韓外相会合を行った。この日米韓外相会合は,日米韓三か国間の政策協調及び戦略的対話を強化するための長期的な努力に基づいて行われ,従来の及び新たな課題に対応するための更なる三か国協力の必要性を反映したものである。三外相は,日米韓三か国が,価値観を共有する世界の主要な経済大国として,アジア太平洋地域及び全世界的な安定と安全を維持する共通の目的と責任を有することを確認した。
  2. 三外相は,日米同盟及び米韓同盟並びに日韓間のパートナーシップが,アジアにおける平和と安定の維持に不可欠であることを認識した。三外相は,これら2つの同盟関係の基盤となる日米安全保障条約及び韓米相互防衛条約の下での二国間の相互の責任及び確固とした約束を再確認した。三外相は,二国間の相互の責任に依拠して,共通の安全保障上の脅威に効果的に対処することを決意した。
  3. 三外相は,北朝鮮に関連する問題につき,連携と協議を維持し,強化することを約束した。三外相は,北朝鮮による11月23日の延坪島への砲撃に対する重大な懸念を表明した。前原外務大臣とクリントン国務長官は,韓国国民,特に不当な砲撃の犠牲者及びその家族に対する心からの哀悼の意を表明した。三外相は,この砲撃を強く非難した。三外相は,北東アジアのみならずより広範な地域における平和と安定を維持するため,北朝鮮が挑発的態度をやめ, 1953年の休戦協定を遵守するよう求めた。
  4. 三外相は,北朝鮮の挑発的かつ好戦的な態度は三か国すべてを脅かすものであり,そのような態度には三か国すべてが結束をもって対応するであろうことを確認した。
  5. また,三外相は,北朝鮮によるウラン濃縮施設の建設について,国連安保理決議第1718号及び第1874号,及び2005年9月の六者会合共同声明の下での北朝鮮のコミットメントに違反するものであるとして非難した。三外相は,北朝鮮に対して挑発的態度をやめ,国際的義務を遵守するよう求めた。
  6. 三外相は,2005年9月の六者会合共同声明へのコミットメントについて改めて強調し,六者会合の再開のためには,北朝鮮が,韓国との関係を改善するための真摯な努力を行い,完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に真にコミットしていることを示す具体的な措置をとることが求められることを再確認した。また,三外相は,北朝鮮による大量破壊兵器の拡散を防止するための多国間の協力を強化していくことを決定し,核,化学及び生物兵器とそれらの運搬手段の拡散は,国際の平和と安全に対する脅威を構成することを再確認した。
  7. 三外相は,関連する安保理決議の実施について強調しつつ,特に六者会合の枠組みにおいて,北朝鮮の最近の挑発的行動及び非核化への適切な対応を含めた北朝鮮に関連する課題に対処する方法について,中国及びロシアとの協力を強化していくことへの期待感を表明した。三外相は,国連安保理決議第1718号及び第1874号に対する中国の支持を歓迎するとともに,北朝鮮に対して2005年9月の六者会合共同声明に明記された義務を遵守するよう求める中国の努力を期待することを表明した。三外相は,必要に応じて国内措置による制裁を強化することを含め,国連安保理決議第1718号及び第1874号の下での制裁の完全な実施に対するコミットメントを再確認した。三外相は,北朝鮮に対して,まず初めに挑発的態度を止め,休戦協定の規定に完全に従い,二国間の及び国際的な義務を遵守することを求めつつ,北朝鮮との関係を改善する意思に留意した。
  8. また,三外相は,経済,政治,安全保障分野における三か国の協力を強化することの重要性も強調した。三外相は,日本,韓国及び米国の政府及び国民は,地域の平和,繁栄及び安定を維持し,より自由で開かれた貿易の利益を拡大し,全世界的に自由,民主主義及び人権を促進,保護することについて,深く,持続的な関心を共有することに留意した。三か国は,平和と安全を維持するため,あらゆる手段を通じて,地域における各国との協議及び協力を強化することが必要であるとの認識を共有した。三か国は,中国と強固かつ生産的で建設的な関係を構築し,平和な北東アジア地域を構築するという共通の目的を達成するとの持続的な約束を強調した。三か国は,アジアにおける地域的なアプローチについて連携と協議を拡大することを約束するとともに,地域レベルの多国間体制の支柱としての東南アジア諸国連合(ASEAN)の重要性を再確認し,ASEAN地域フォーラム及び東アジア首脳会議に向けた準備を強化することを約束した。日本及び韓国の外相は,2011年から米国が東アジア首脳会議に完全に参加することを歓迎した。三外相は,東南アジア,特にメコン河下流域国に焦点を当てた,開発に関する連携を拡大することを提案した。また,人道支援及び災害救援活動に関する地域レベルの能力を強化することの重要性に留意した。
  9. 三外相は,テロ,大量破壊兵器の拡散,海賊,気候変動,感染症,エネルギー安全保障,グリーン成長の促進,航行の自由,海上安全保障等の地球規模の課題に対処する方法について意見交換を行った。三外相は,三か国それぞれの省がこれらについての共同の努力を調整する方法を特定するべく努力することを期待した。三外相は,主要ドナー国として,開発支援が如何にして安定と安全を増大し得るかに留意し,これらの共通の目標を達成するために,世界中の開発支援プログラムについて三か国の連携を拡大することを約束した。また,三外相は,アフガニスタンの安全と安定の重要性を強調した。米国は,韓国による地方復興チーム(PRT)の派遣及びアフガニスタン復興のための最大の支援国としての日本の役割を歓迎した。三外相は,世界の安全保障のための自立的かつ持続的な中東和平の重要性に留意しつつ,パレスチナ自治政府に対する支援を拡大することを約束した。また,三外相は,イランの核活動によりもたらされた挑戦に対処するために更に協力していくことで合意した。
  10. クリントン国務長官は,最近,韓国が主催したG20首脳会議及び日本が主催したAPEC首脳会議の成功を強調した。これらの会議は,世界経済の安定のための開かれた自由な貿易の重要性を強調した。三外相は,アジア太平洋経済協力会議(APEC)の重要性を強調し,2011年に米国の議長の下,地域経済統合の深化のために協力することを約束した。また,三外相は,均衡ある世界経済の成長戦略の必要性と,G20首脳の声明にある原則を再確認した。
  11. 三外相は,本日の日米韓外相会合は時宜にかなった生産的な前進であったことに留意し,また,三か国間に既に存在する強固な二国間の制度と協議を補完する,継続的かつ強化された三か国間の連携を歓迎した。
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