麻生外務大臣

麻生大臣のルーマニア訪問
(概要と評価)

平成19年1月11日

(写真)麻生大臣のルーマニア訪問 (写真)麻生大臣のルーマニア訪問

1. 訪問概要

 1月9~10日、麻生大臣は、我が国外務大臣として24年ぶりにルーマニアを訪問し、ウングレアーヌ外務大臣との間で外相会談を行った。また、麻生大臣は、バセスク大統領表敬及びタリチャーヌ首相表敬を行ったほか、ブカレスト大学を訪問し、同大学に対する平成18年度草の根文化無償資金協力贈与契約署名式及び日本語図書寄贈式に立ち会い、日本語を学習するルーマニア人学生と懇談した。

2. 外相会談及び表敬の主要点

(1) 二国間関係

(イ)麻生大臣より、EU加盟への祝意を表明するともに、価値を共有するパートナーとして関係を一層強化したい旨述べた。ルーマニア側より、わが国外交の新機軸である「自由と繁栄の弧」に対する理解と支持が表明された。

(ロ)麻生大臣より、円借款による地下鉄プロジェクトにつきJBIC調査チーム派遣の結果を踏まえ検討したいと述べ、ウングレアーヌ外相より感謝と期待が表明された。また、わが国による技術協力支援の延長や査証免除に関する要請がなされた。

(ハ)ルーマニア側より、経済関係強化への期待が表明されたのに対し、麻生大臣より、インフラ整備等の投資環境整備を期待する旨述べた。また、タリチャーヌ首相が2月下旬の訪日することで調整することとなった。

(2)北朝鮮問題

 北朝鮮による拉致問題について、麻生大臣より、ルーマニアとも共有する、国民の生命にかかわる重大な問題であり、今後ともルーマニアと緊密に協力していきたいと述べたのに対し、ウングレアーヌ外相は、完全に同意する、全てのレベル・機関を通じて日本と協力したい、日本国民の心の痛みは十分共有すると述べた。バセスク大統領からも、北朝鮮問題解決に向けた協力表明がなされた。

(3) 国際情勢・地域情勢

 黒海沿岸諸国に対するEUの政策、ロシア周辺国であるモルドバの沿ドニエストル問題、エネルギー安全保障の観点から見たロシア、コソボ情勢等について幅広い意見交換が行われた。

3. 今次訪問の評価

(1) 1989年の体制転換後、ルーマニアの民主化・市場経済化のための改革努力を一貫して支援してきた我が国として、体制移行の完了を象徴する同国のEU加盟直後というタイミングで24年ぶりの外務大臣の訪問を実施。これまでの援助国・被援助国の関係から、対等なパートナーとしての関係構築を目指すことで一致。

(2) 我が国外交の新機軸である「自由と繁栄の弧」の重要な一翼を担うルーマニアとの間で、黒海沿岸地域や西バルカンの安定を含め、「自由と繁栄の弧」の形成のために緊密に連携していくことで合意。

(3) 伝統的親日国であり、国連や多くの国際選挙において我が国の立場を支持するルーマニアとの間で、北朝鮮問題や国連・安保理改革等の国際社会における諸問題に対する共同の取組みを強化することで一致。

(4) EU市場内で相対的に安価で優秀な労働力を有し、今後我が国企業の関心が一層高まることを期待されるルーマニアとの間で、民間レベルでの経済関係強化の必要性を確認。

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