平成19年1月12日
日・ブルガリア外相共同会見
日・ブルガリア外相会談
1月10~11日、麻生大臣は、我が国外務大臣として24年ぶりにブルガリアを訪問し、カルフィン副首相兼外務大臣との間で外相会談を行った。また、麻生大臣は、パルヴァノフ大統領表敬及びスタニシェフ首相表敬を行ったほか、国立スポーツアカデミーを訪問し、ブルガリア相撲連盟に対する平成17年度草の根文化無償資金協力により同アカデミー体育館に設置される土俵の引渡式に出席した。
(1) 二国間関係
(イ)麻生大臣より、ブルガリアのEU加盟に祝意を表明し、また、価値を共有するパートナーとしての協力関係を一層強化したい旨述べた。ブルガリア側より、日本の新外交方針である「自由と繁栄の弧」に対する高い評価と支持を表明した。
(ロ)ブルガリア側より、これまでの我が国経済協力支援に感謝するとともに、円借款によるコンテナ・ターミナルの整備拡張計画に関する要請がなされた。麻生大臣より、近く予定されているJBIC調査団チームの派遣の結果を踏まえて検討したい旨述べた。また、日本からの貿易投資への期待に対し、ブルガリアにおける一層の投資環境の整備を求めた。
(ハ)麻生大臣より、カルフィン副首相兼外相の訪日を要請した。また、ブルガリア側より、安倍総理大臣のブルガリア訪問の要請があった。
(ニ)麻生大臣より、北朝鮮による拉致は、人権、人道上の問題として国民の生命にかかわる重大な問題であり、一日も早い解決に向けてブルガリアの理解と協力をえたい旨述べたのに対し、スタニシェフ首相より、拉致問題については日本側の意見と全く同感であり、北朝鮮のミサイル、核問題についても日本の立場に完全に同意する旨述べた。また、リビアにおけるブルガリア人看護師の死刑判決問題に関してやりとりがなされた。
(2)国際情勢・地域情勢
(イ)ブルガリア側より、特に南・東欧地域との協力、ウクライナやモルドバを含む中央ヨーロッパの安定と協力に力を入れており、黒海沿岸諸国とも良好な関係を有している、この地域の安定と繁栄に向けた外交努力を行っていく上で、日本と協調していく旨表明があった。
(ロ)国連安保理・国連改革に関し、現在の国際環境は国連設立当時から随分変わっており、それを反映した形での改革に向け協力していくことで一致した。また、ブルガリア側より日本の常任理事国入りを従来通り支持していく旨発言があった。
(1)1989年の体制転換後、ブルガリアの民主化・市場経済化のための改革努力を一貫して支援してきた我が国として、体制移行の完了を象徴する同国のEU加盟直後というタイミングで24年ぶりの外務大臣の訪問を実施。これまでの援助国・被援助国の関係から、対等なパートナーとしての関係構築を目指すことで一致。
(2)我が国外交の新機軸である「自由と繁栄の弧」の重要な一翼を担うブルガリアとの間で、黒海沿岸地域や西バルカンの安定を含め、「自由と繁栄の弧」の形成のために緊密に連携していくことで合意。
(3)伝統的親日国であり、国連や多くの国際選挙において我が国の立場を支持するブルガリアとの間で、北朝鮮問題や国連・安保理改革等の国際社会における諸問題に対する共同の取組みを強化することで一致。
(4)EU市場内で相対的に安価で優秀な労働力を有し、今後我が国企業の関心が一層高まることを期待されるブルガリアとの間で、民間レベルでの経済関係強化の必要性を確認。