平成18年7月28日
クアラルンプールにおけるARF閣僚会合の機会を捉え、現地時間7月28日午前10時25分から約20分間、日米外相会談が行われたところ、その概要以下のとおり。
(1)麻生大臣より、次のとおり述べた。
北朝鮮については、日米間の緊密な協力もあり、安保理において全会一致で決議が採択されたことは非常に良かった。ライス長官にお礼を言いたい。ただし、安保理決議はあくまで手段であって、目的でない。この安保理決議により北朝鮮を六者会合へ戻らせるよう努力していくことが重要である。
(2)これを受けてライス長官が次のとおり述べた。
日本と非常に良い協力ができた。麻生大臣にとってはひどい時間に電話を掛けることもあったが、決議が採択されたこと、特に全会一致で採択されたことは非常に重要であった。本日午後、北朝鮮に関し、関係国10か国による会合を行うこととなった。10か国は、六者会合の6か国のうち北朝鮮を除いた5か国にマレーシア、豪、カナダ、ニュージーランド、インドネシアの5か国を加えた10か国である。不拡散の分野等で能力を有する国等を含めて議論することは非常に重要だと思う。
(3)麻生大臣とライス長官は、議長国の中国を支持することが重要であるということについて、見解が一致した。
(4)麻生大臣より、全会一致による安保理決議の採択を受け、同決議を履行するための金融措置の実施を現在検討しているところであると説明した。これに対し、ライス長官より、同決議をフォローアップすることが重要であり、安保理決議の履行を含めどういう措置をとるか検討しているとの説明があった。
(1)ライス長官より、北朝鮮に対してきちんとした対応を取ることがイランとの関係でも重要である、イランに関する国連安保理決議について準備が進んでおり、近々、おそらく来週の早い段階で採決に付されることになろうと述べた。
(2)麻生大臣より、イランに関する安保理決議については、我が国としても支持したいと述べた。
麻生大臣から、現在の中東情勢について、ライス長官の意見を質したところ、ライス長官から次のとおり説明があった。
ヒズボラがレバノン南部をコントロールしている状況が変わらなければ、停戦できないであろう。したがって、レバノン南部にレバノン軍が展開することが必要であり、同軍を支援するための国際部隊の展開が必要となろう。この国際部隊は国連のマンデートを受けたものとなろう。
麻生大臣とライス長官の間で、日本の安保理常任理事国入りの実現に向けて引き続き協力していくことで一致した。
ライス長官から、この問題についてもう議論する必要はない、日本語で「ありがとうございます」と述べた。