国連外交
第3回開発資金国際会議
7月13日(月曜日)から16日(木曜日)まで、エチオピアのアディスアベバで第3回開発資金国際会議が開催されたところ、概要は以下のとおり。13日(月曜日)から14日(火曜日)まで、我が国首席代表として城内実外務副大臣が出席した。
1 全体
- (1)開発資金国際会議は、開発途上国の開発資金確保とその効果的な活用のための課題や方策につき、首脳・閣僚レベルで議論するために国連が開催する会合。第1回(2002年・モンテレー)、第2回(2008年・ドーハ)に続く今次会議には、約210の国・機関等が参加。9月の国連サミットで採択予定のポスト2015年開発アジェンダ、更に12月の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)を見据えた資金戦略につき、4日間に亘り、活発な議論が行われた。
- (2)我が国からは、城内実外務副大臣が首席代表として出席。14日午後の全体会合で演説を行い、本年2月に策定された開発協力大綱に基づく日本の開発政策や貢献策を発信した(和文仮訳(PDF)
/英文(PDF)
)。また、日本が共催した「質の高いインフラ投資」に関するサイドイベント(13日午後)や中所得国支援に関するサイドイベント(14日昼)に出席し、これらの分野での日本の支援策についても発信した(下記2参照)。更に、城内副大臣は、ハイレマリアム・エチオピア首相、潘基文国連事務総長を始め、同会議に参加した各国要人や国際機関幹部等と会談を行った。
- 城内副大臣の全体会合での演説
- 城内副大臣と潘基文国連事務総長の会談
- 城内副大臣とハイレマリアム・エチオピア首相の会談
- (3)会議の成果文書として、開発資金に関する政策枠組み等を定める「アディスアベバ行動目標(The Addis Ababa Action Agenda)」がコンセンサスで採択された(本文(骨子(PDF)
/ 英文(PDF)
))。我が国は、本年1月から行われてきた成果文書交渉に積極的に参加し、過去15年間の世界経済・開発を巡る国際環境の変化を踏まえ、すべての国、更に民間部門、市民社会を含むあらゆるステークホルダーがそれぞれの役割を果たす新たなグローバル・パートナーシップを構築する必要性や、質の高いインフラ開発等を通じ、包摂的な経済成長を実現する重要性等を主張してきた。こうした我が国の考えは、成果文書に反映された。
- (4)今次会議は、本年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議に続き、9月の国連サミットのポスト2015年開発アジェンダの採択に向けた重要なステップとなった。
2 サイドイベント
(1)質の高いインフラ投資の促進

13日午後、アディスアベバ市内のホテルにおいて、日本、エチオピア及びフィリピンの3か国の共催により開催。各国政府・関係機関、日本とエチオピアを中心としたビジネス関係者等を含め、130名以上が出席した。
城内副大臣及びエチオピア要人の開会挨拶・基調講演に続き(城内副大臣の開会挨拶:和文仮訳(PDF)/英文(PDF)
)、「質の高いインフラ投資」の推進に関する国際的取組をテーマとするパネルディスカッション、更に、国土交通省及び日本企業10社による具体的事例のプレゼンテーションが行われた。参加者との質疑応答も含め活発かつ中身のある議論が行われ、今後の「質の高いインフラ投資」の国際的な推進に向け有意義な機会となった。
(2)中所得国の持続可能な開発のための包摂的パートナーシップによる効果的な協力

14日午後、アディスアベバ市内のホテルにおいて、日本及びメキシコの共催により開催。各国政府・機関の関係者等、80名以上が出席した。
イベントでは、城内副大臣及び「効果的な開発協力に関するグローバル・パートナーシップ(GPEDC)」議長国であるクムウェンベ・マラウイ財務・経済計画・開発省首席大臣補佐官(GPEDC議長国代表)が開会挨拶を行った(城内副大臣の開会挨拶:和文仮訳(PDF)/英文(PDF)
)。中所得国が、根深い貧困、経済的及び環境的な外部ショックへの脆弱性、「中所得国の罠」など、所得水準では計りきれない多様な課題に直面していること、各国の事情やニーズに合わせた支援が必要であり、開発協力は中所得国のビジネス環境整備や人材育成のための触媒機能を果たすことで、包摂的かつ持続可能な社会の実現に貢献し得る等の意見が共有された。
(3)その他
尾池外務省地球規模課題審議官が以下のサイドイベントにパネリストとして出席し、公的資金を媒介としていかにして民間資金・技術を開発事業に動員していくかを中心に、日本の考え方を発信した。
- ア 緑の気候基金(GCF)主催のGCF資金の配分・活用に関する会合
- イ 国連開発計画(UNDP)及び地球環境ファシリティ(GEF)共催の環境資金の触媒的役割に関する会合
- ウ 国連工業開発機関(UNIDO)主催の開発における産業振興の役割に関する会合
- エ WaterAid 主催の水に関する国際協力に関する会合