アメリカ合衆国

平成27年7月16日
7月6日から11日まで,中根一幸外務大臣政務官は米国のニューヨークを訪問したところ,概要は以下のとおりです。

1 国連経済社会理事会ハイレベル・セグメント及び持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム

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 中根大臣政務官は,持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムにおいて第3回国連防災世界会議のホスト国としてキーノート・スピーチ(6日午後)を行うとともに,国連経済社会理事会ハイレベル・セグメントにおいて一般討論演説(8日午前)を行いました。

 その中で,中根大臣政務官は,本年は,3月の第3回国連防災世界会議を皮切りに,来週エチオピアで開催される第3回開発資金国際会議,9月の国連サミット,12月の国連気候変動枠組国条約第21回締約国会議(COP21)と,地球規模課題に関する重要な国際会議が続く節目の年であると述べた上で,9月の国連サミットで採択予定のポスト2015年開発アジェンダは,先進国はもとより途上国,民間セクター及び市民社会を含むグローバル・パートナーシップの下で対処すべきであること,ハイレベル政治フォーラムはポスト2015年開発アジェンダのフォローアップ・レビューの中心になることから,人間の安全保障の理念に基づいた持続可能な開発に向けて政治的リーダーシップを発揮することが必要である旨述べました。また,開発の成果を一瞬にして水泡と化してしまう災害は,持続可能な開発に対する大きな脅威であり,第3回国連防災世界会議のホスト国として防災の重要性に言及しました。さらに,同会議のフォローアップとして,我が国は津波の脅威と対策の重要性への理解と関心を高めるべく,11月5日を世界津波の日として制定したいと述べ,各国の協力と支援を求めました。

2 国連経済社会理事会・年次閣僚級レビュー:モンゴルによる自発的国家プレゼンテーションのレビュー(7月10日)

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 中根大臣政務官は,経済社会理事会ハイレベル・セグメントの年次閣僚級レビューの一環として行われた,モンゴルのミレニアム開発目標の達成状況等をレビューする自発的国家プレゼンテーションにレビュアーとして出席しました。その中で,中根大臣政務官は,モンゴル政府がミレニアム開発目標の議論を踏まえた国家開発戦略や政策の枠組を整えてきたことや,質を重視した開発をおこなっていること,幅広い開発資金を動員していることを評価するコメントを述べました。一方で,開発の過程で首都への一極集中が進んだことや,国内格差が広がったこと,大気汚染や水質汚染等新たに発生した課題への取り組み策について質問を行い,議論の活発化に貢献しました。

3 国際エボラ出血熱復興会議におけるステートメント(7月10日)

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 中根大臣政務官は,国際エボラ出血熱復興会議に出席しステートメントを行いました。
 その中で,中根大臣政務官は,エボラ出血熱の被害を受けた3か国(ギニア,シエラレオネ,リベリア)の復興に向けた国際社会の取組加速が求められる中,日本は,これら3か国が新たに策定した復興計画に沿って,既に関連の国際機関に拠出したものも含め本年中に8千万ドル規模の支援を実施していくこととした旨を表明しました。
 また,日本は,2013年のTICADV(第5回アフリカ開発会議)で約束した5億ドルの保健分野での支援について着実に実施してきていることを踏まえつつ,今後の残りの約束期間において,エボラ出血熱流行の影響を受けた西アフリカ地域の保健システムの強化・再構築に向けた支援を重点的に実施していく旨も述べました。

4 その他の会合出席,国際機関幹部及び各国要人との会談等

(1)クテサ国連総会議長との会談(7月6日)

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 中根大臣政務官は,クテサ第69回国連総会議長と会談しました。中根大臣政務官からは,安保理改革に関し,我が国はクテサ総会議長とラトレイ政府間交渉議長の取組を強く支持している旨述べました。これに対し,クテサ総会議長からは,日本の貢献に感謝しているとの発言があり,双方で,安保理改革推進のために引き続き連携していくことで合意しました。

(2)ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)との会談及び防災フレンズ会合出席(7月7日)

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 中根大臣政務官は,ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)と懇談し,3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議のフォローアップとして「世界津波の日」の制定について協力を依頼しながら,今後の防災協力に関し意見交換を行いました。
 また,防災に関心の高い国連常駐代表が集まる防災フレンズ会合に出席して,「世界津波の日」の制定についての支持要請とともに,持続可能な開発における防災の主流化に向けてできる限りの貢献を惜しまない考えを述べました。

(3)国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)サイドイベント「持続可能な開発に関する地域コンサルテーションの成果とアジア太平洋におけるポスト2015年開発アジェンダ」出席(7月8日)

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 中根大臣政務官は, ESCAP主催サイドイベント「持続可能な開発に関する地域コンサルテーションの成果とアジア太平洋におけるポスト2015年開発アジェンダ」に出席し,日本が推進している防災に焦点を当て持続可能な開発に関してステートメントを行いました。その中で,中根大臣政務官は,災害は,国の開発成果を一瞬にして水泡に帰す,まさに持続可能な開発に対する大きな脅威であるとし,本年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議及び同会議で採択された「仙台防災枠組2015-2030」に触れつつ,日本のこれまでの取組みを紹介するとともに,日本が実施してきた防災や復興に関する国際協力の事例を出席者と共有しました。

(4)ブラント国連児童基金(UNICEF)事務局次長との会談(7月9日)

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 中根大臣政務官はUNICEF本部を訪れ,ブラント事務局次長と意見交換を行い,日本とUNICEFとの間の保健,衛生及びジェンダー等の分野における途上国支援に係る連携協力を確認するとともに,資金面だけではなく,人的貢献の面でも協力関係の強化を追求していくことを確認しました。

(5)クラーク国連開発計画(UNDP)総裁との会談(7月9日)

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 中根大臣政務官は,UNDP本部においてクラークUNDP総裁と意見交換を行い,ポスト2015年開発アジェンダの策定,防災,気候変動,保健,ネパール復興等の重要開発課題解決に向け,更に連携を深めていくことを確認しました。

(6)ガンツォグト・モンゴル大蔵次官との会談(7月9日)

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 自発的国家プレゼンテーション(10日午前)のセッションに先立ち,中根大臣政務官は,モンゴル代表団長を務めるガンツォグト大蔵次官と短時間懇談しました。懇談では,種々の分野において協力を推進し,二国間の戦略的パートナーシップを強化していくことを確認しました。

(7)コンデ・ギニア大統領との会談(7月9日)

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 中根大臣政務官から,エボラ出血熱の被害を受けた3か国が策定した復興計画に沿って,既に国際機関に拠出したものも含め,本年中に総額8千万ドル規模の支援を実施していく旨延べたのに対して,コンデ大統領から,迅速検査キットを含む日本からの様々な支援に感謝する旨の発言がありました。
 また,両者は,今後はエボラ出血熱終息後の経済復興が重要である点で一致し,引き続きポストエボラの経済復興に向けて緊密に協力していくことで意見の一致を見ました。
 その他,安保理改革を含む国際場裡における協力についても意見交換を行いました。

(8)サーリーフ・リベリア大統領との会談(7月9日)

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 中根大臣政務官から,WHOのエボラ出血熱終息宣言後に新たな感染者が発生したことについて,サーリーフ大統領のリーダーシップの下,リベリア国民が一致団結してこの困難を克服されることを期待する旨述べました。これに対して,サーリーフ大統領からは,エボラ出血熱終息に向けた取組における日本からのこれまでの支援に感謝する旨の発言がありました。
 また,中根大臣政務官から,エボラ出血熱の被害を受けた3か国が策定した復興計画に沿って,既に国際機関に拠出したものも含め,本年中に総額8千万ドル規模の支援を実施していく旨述べ,両者は引き続きエボラ出血熱の早期終息に向けた取組で協力していくことで一致しました。
 その他,安保理改革を含む国際場裡における協力についても意見交換を行いました。

(9)カマラ・シエラレオネ外相との会談(7月10日)

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 中根大臣政務官から,エボラ出血熱の被害を受けた3か国が策定した復興計画に沿って,既に国際機関に拠出したものも含め,本年中に総額8千万ドル規模の支援を実施していく旨述べました。カマラ外相からは,エボラ出血熱流行前から,日シエラレオネ関係は強固であり,この関係を更に発展させていきたい旨の発言がありました。
 その他,安保理改革を含む国際場裡における協力についても意見交換を行いました。

5 ニューヨーク市警訪問及び日系企業関係者との懇談(7月7日)

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 中根大臣政務官はニューヨーク市警を訪問し,現地治安情勢を聴取するとともに,引き続き在留邦人・日系企業の安全確保への協力を依頼しました。また,中根大臣政務官は現地の日系企業関係者と在外邦人の安全対策強化に関して懇談を行いました。

6 若手邦人国連機関職員(JPO)との懇談(7月9日)

 中根大臣政務官は,JPOとして国連関係機関に派遣されている若手の邦人職員と懇談し,JPOの派遣に関し現状と今後の課題について意見交換を行いました。


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