国際保健
ランセット誌への岸田総理大臣寄稿
「人間の安全保障とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:G7広島サミットに向けた日本のビジョン」
令和5年1月21日
- 本21日(英国時間20日)、岸田文雄内閣総理大臣の寄稿が、世界で最も評価が高い医学雑誌のひとつであるランセット誌に掲載されました。我が国が議長国を務める今年5月のG7広島サミットやG7長崎保健大臣会合等を通して、国際保健に貢献していく決意を示したものです。
- 寄稿の要旨は以下のとおりです。
- (1)新型コロナは国際社会全体に未曽有の影響を与え、現在のグローバルヘルス・アーキテクチャーの脆弱性を露呈。健康危機に対する予防・備え・対応(PPR)の強化及び、保健システムの強靱化を通じたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成の必要性を示した。
- (2)G7広島サミット及びG7長崎保健大臣会合では、これまでのG7における議論も踏まえ、人間の安全保障の重要性を強調しつつ、以下3つの分野に焦点を当てる。
ア 公衆衛生危機のためのグローバルヘルス・アーキテクチャーの強化
新型コロナの教訓に基づき、健康危機に備えた政策、ガバナンス及び資金メカニズム等の強化が必要。
イ ポスト・コロナの新しい時代に向けたUHCの推進
新型コロナで後退した感染症、非感染性疾患、母子保健、健康な高齢化を始めとする保健課題に効果的に対応する保健システムの強化が必要。
ウ デジタル領域を含むヘルス・イノベーションの促進
パンデミック対応や現下の保健課題(薬剤耐性(AMR)等)のための研究開発を加速する必要。将来の健康危機が発生する前に研究開発に必要なインフラと能力を強化するとともに、健康危機に対する効果的な早期警戒に資する世界的なサーベイランスのネットワークの構築が必要。 - (3)グローバルヘルスの推進及びポストコロナ時代を見据えた保健課題の対応の中核的な原則として人間の安全保障を据え、より健康、より公平、より平和かつより豊かな国際社会を構築する。
[参考1]ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
すべての人が、効果的で良質な保健医療サービスを、負担可能な費用で受けられること。
[参考2]グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)
国際機関・官民連携基金の連携の強化や国際的規範の制定を通じて、各国の財務・保健当局及び関係国際機関の連携枠組みの強化を可能にするような国際保健の枠組み。
[参考3]別添
寄稿文(英文(PDF)/和文仮訳(PDF))
[参考4]ランセット誌のホームページ(英文)