地球環境

令和2年11月20日

 令和2年11月9日(月曜日)から11月13日(金曜日)まで、第56回国際熱帯木材理事会がオンラインで開催されたところ、概要は以下のとおりです。

1 出席者

 45の加盟国及びEUの政府関係者が参加しました。我が国からは、外務省、林野庁及び環境省の担当者が出席しました。

2 要点

(1)ITTOの新しい資金構造の実施に係る運用計画の採択

 ITTOにおけるプロジェクトサイクルの合理化を図るため、新しい資金構造をパイロット的に運用していく計画案が理事会で採択されました。これにより、加盟国は今後、まずは4つの特定されたカテゴリ(ア Legal and Sustainable Supply Chains、イ Conservation of Biodiversity and Ecosystem Services、ウ Forest Landscape Restoration and Resilient Livelihoods、エ Emerging Issues and Innovation)に合致した簡潔なコンセプトノートを提出することとなります。コンセプトノートは事務局のチェックを経てデータベースに登録され、その後、ドナーとの調整により個別案件毎に正式なプロポーザルを作成することとなります。また、資金調達の多角化のため、地球環境ファシリティ(GEF:Global Environment Facility)等の多数国間基金及びそのパートナー機関との連携を強化していく方針が併せて採択されました。

(2)プロジェクトの新しい監査枠組みの採択

 プロジェクトに係るガバナンス体制を強化することを目的に、ITTOのプロジェクトに関する新監査枠組みが採択されました。これにより、ITTOで実施されるプロジェクトは、世界中で国際関連サービス基準(ISRS)4400及びIFAC職業会計士の倫理規程に沿った監査が徹底されることとなり、敏速、確実で詳細な監査報告体制が整備されることとなりました。

(3)ITTOの戦略行動計画の延長

 COVID-19の影響により、国際熱帯木材協定の目的を達成するための中期計画である戦略行動計画(SAP:Strategic Action Plan)の改訂作業に遅れが生じたため、2020年まで延長されていた戦略行動計画(ITTO Strategic Action Plan 2013-2018)の期間をさらに1年延長することとなりました。2か年作業計画の実施に係る教訓を踏まえ、次期戦略計画を策定することとし、次回の第57回理事会において検討されることとなりました。

(4)次期ITTO事務局長の選出について

 現事務局長の任期が2021年3月末で満了することから、次期事務局長の選出に向けたプロセスを直ちに開始することが決定されました。

(5)次回理事会(ITTC57)について

 2021年11月に開催予定となっている第57回国際熱帯木材理事会(ITTC57)の開催場所は、横浜市での開催も念頭に、COVID-19の影響も踏まえつつ、今後正式に決定されることとなりました。


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