地球環境

ワシントン条約第18回締約国会議

令和元年9月4日

 8月17日(土曜日)から28日(水曜日)にかけて,ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)第18回締約国会議(COP18)が開催されたところ,概要と結果は以下のとおり。

1 会議の概要

  • (1)8月17日(土曜日)から28日(水曜日)にかけて,ジュネーブ(スイス)で開催。(全体会合:8月17日(土曜日),第一・第二委員会:8月18日(日曜日)から8月26日(月曜日),全体会合:8月27日(火曜日)及び28日(水曜日)。)
  • (2)ワシントン条約締約国会議は,3年に1度開催。締約国や事務局の提案により,各種決議案,個別種の条約附属書掲載提案等が審議される(附属書I:商業取引禁止,附属書II:商業取引には輸出国の許可が必要)。
  • (3)我が国からは,外務省(佐藤地球環境課長他)に加え,環境省(奥田大臣官房審議官他),経産省(上田製造産業局審議官,杉浦生活製品課長,河野貿易審査課長他),農水省(諸貫水産庁参事官他)が出席。条約の目的及び範囲との整合性,生物資源の持続的利用,科学的根拠に基づく取引規制等を確保する観点から,各議題における議論に対応した。

2 主な論点の議論・結果

(1)象牙の国内市場について

  • ア ケニア,西アフリカ諸国等が,象牙について全ての国内取引市場の閉鎖を求める決議案を提出。これに対し,国際取引を規制する同条約の範囲外である等の意見が強く,同決議案は採択されなかった。(我が国も,条約の範囲を超えること,前回のCOP17で採択された,閉鎖されるべきは「密猟や違法取引につながる国内市場」等の決議内容を変更する理由がないこと等を指摘し反対。)
  • イ 代わりに,米国の提案に基づき,前回採択された決議を実施するため,象牙の国内取引市場を有する締約国(我が国を含む)に対し,これら市場が象牙の密猟や違法取引の要因になることを防ぐための取組について,次回常設委員会(時期未定)までに,事務局への報告を求めることが決定された。

(2)附属書改正について

 全57提案がなされ,うち53提案について審議された。(マンモスの掲載提案等は取り下げられた。)主な結果は次のとおり。(コンセンサス又は投票(3分の2多数)で決定。なお以下の(注)は掲載基準を満たさない等の理由で事務局が提案に反対意見を付していたもの。)

ア アフリカゾウ

 南アフリカ諸国が規制緩和(ザンビアの個体群の附属書IからIIへの移行(注),附属書IIに掲載されているボツワナ・ナミビア・南ア・ジンバブエの個体群の注釈改正(注))を,ケニア及び西アフリカ諸国が規制強化(全個体群の附属書I掲載(注))を提案したが,いずれも否決された。

イ コツメカワウソ・ビロードカワウソ

 附属書IIから附属書Iへの移行(注)が決定された。

ウ インドホシガメ

 附属書IIから附属書Iへの移行(注)が決定された。

エ サイガ

 附属書IIに掲載のまま,商業目的のための野生標本の輸出割当をゼロにすることが決定された。

オ キリン

 附属書IIへの掲載(注)が決定された。

カ トカゲモドキ属(中国及びベトナムの個体群13種)

 附属書IIへの掲載が決定された。(これに伴い我が国は,国内のトカゲモドキ属について附属書IIIへの掲載を予定している旨を表明。)

キ 海産種(アオザメ等サメ・エイ類3種,熱帯ナマコ類)

 附属書IIへの掲載(アオザメは(注))が決定された。(我が国は,附属書掲載は科学的根拠に基づくべき,商業漁業対象種の管理は地域漁業管理機関(RFMO)や沿岸国自身が行うべき等と指摘し,反対。)

オ 高級木材種(ローズウッド)

 附属書IIに掲載のまま楽器(部品を含む)等の規制対象からの除外が決定された。

(3)予算について

 2020年から2022年までの事務局予算が承認された(18,685,560米ドル:対前期比+0.7%)。併せて,この間において各締約国が同事務局に支払うべき義務的拠出金の額も決定された(我が国は年平均516,711米ドル,分担率は約8.3%で,米国,中国に次ぐ第3位)。

(4)次回第19回締約国会議(COP19)について

 2022年にコスタリカで開催されることが決定された。


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