ODAと地球規模の課題

平成26年11月10日

1.会合の概要

(1) 日程・場所
  11月6日~7日 於 ベネズエラ・マルガリータ島
 
(2) 出席者等
  • 参加者:約30カ国・地域
  • 議長:ラミーレス・ベネズエラ外務大臣,プルガル・ビダル・ペルー環境大臣
  • 日本:田中環境省大臣官房審議官他,外務省,経済産業省から出席

2.議論の概要

(1) 総論
  • 本年12月にペルー・リマで行われる国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)において目指すべき成果等について意見交換が行われた。
  • 市民社会との対話セッションでは,NGO等の参加を得て,2020年枠組みに対する期待表明や締約国に対する提言等が出されるとともに,気候変動に関するプロセスへの市民社会の参加促進等について意見交換が行われた。
  • 閣僚セッションでは,約束草案,2015年合意の要素について意見交換が行われた。
(2)市民社会との対話セッション
  • 参加したNGO等の市民社会代表から,事前に取りまとめられた文書に基づき,(1)市民社会の気候変動に関するプロセスへの参加,(2)気候変動対策に関する原則とコミットメント,(3)適応及び緩和,公平なトランジション,(4)教育と情報,についてそれぞれ提言が行われ,各国代表との間で意見交換が行われた。
  • 約束草案における適応等の緩和以外の要素のあり方等,個々の論点については参加者間で異なる立場が主張されたが,気候変動への対応において市民社会の役割が重要であり,今次会合において市民社会との対話の機会が設けられたことは有益であるとの点については,我が国を含む各国の立場に一致が見られた。
(3)閣僚セッション

 (ア)約束草案
  • 約束草案の対象範囲が主な争点になった。緩和に限定すべきという国,全ての要素が等しく約束草案に含まれるべきという国等,様々な意見が出された。
  • また,約束草案に含まれるべき情報について,途上国は先進国と途上国とで区別すべきである旨主張したのに対し,先進国は全ての国に共通の枠組みが必要であり,各国が決定する約束のタイプごとに区別可能と主張した。
 (イ)2015年合意の要素
  • 途上国は,2015年合意にはCOP17決定が言及する緩和,適応,資金,キャパシティ・ビルディング,技術,行動と支援の透明性の各要素が等しく法的拘束力を有する形で扱われるべきであり,途上国が緩和・適応行動を取るためには先進国による資金をはじめとする実施手段の供与が不可欠である等を主張した。一方,先進国は,COP17決定が言及する各要素は皆重要であるが,法的側面を含む2015年合意における位置づけについては,各要素の性質に応じて決められるべきであること等を主張した。
  • 約束草案のサイクルについては,長期のシグナルを投資家に送るため10年にすべきとの主張,長期間野心を低いまま固定しないため5年にすべきとの主張,両者を共存させるため,5年ごとのレビューを行う案や目標年以外の年の排出に関する参照値を提出する案等が提示された。

3.我が国の対応

  • 約束草案の中心は緩和であるべき,新たな枠組みにおいて各国は(1)定量化可能な約束草案の提出,(2)約束草案達成に向けた対策措置の実施,(3)実施状況のレビューを受けることについて義務を負うべき等を主張した。
  • 適応は重要であるが,約束草案で扱うのではなく,適応の要素を国家計画や開発のプロセスに統合することをコアとなる合意に含むべき等を主張した。 

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