気候変動

令和元年7月4日

 6月17日~6月27日,ドイツ・ボンにおいて,科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)会合の第50回会合が行われたところ,概要は以下のとおり。我が国から,外務・経済産業・環境・文部科学・農林水産・国土交通の各省及び関係機関の関係者が出席した。

1 議論の概要

 今次会合では,昨年12月のCOP24でパリ協定の実施指針が採択されたことを受け,2005年以来はじめて,2つの補助機関会合のみが開催され,従来からの継続作業に加え,COP24時の決定に基づく新たな作業も含む,多くの議題が議論された。
 具体的には,パリ協定第6条(市場メカニズム)の実施指針,2020-2021年のUNFCCC(国連気候変動枠組条約)事務局予算,パリ協定第13条に基づく隔年透明性報告の報告様式,WIM(ロス&ダメージに関するワルシャワ国際メカニズム)のレビューに向けた付託事項,条約における長期目標と長期目標達成に向けた全体的な進捗状況の次期定期レビューの範囲,研究と組織的観測,IPCC1.5度特別報告書,自国の決定する貢献(NDC)の共通時間枠,国別報告書・隔年報告書,対応措置,技術移転,キャパシティ・ビルディング,農業,ジェンダー等に関する議論が行われるとともに,合意された議題については結論文書が採択された。
 特に,昨年のCOP24で合意に至らなかった市場メカニズムに関する実施指針については,我が国を含む関心国のイニシアチブにより,活発な議論が行われた。

2 第3回隔年報告書の多国間評価(Multilateral Assessment:MA3)

 2018年(平成30年)1月1日までに提出された第3回隔年報告書(2年毎に先進国が自国の気候変動対策・施策等を取りまとめたもの)につき,我が国を含む19か国が発表・質疑応答を行った。我が国からは,2020・2030年削減目標に向けた進捗,施策の実施状況,二国間クレジット制度(JCM)の運用状況,「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」の策定等について説明及び質疑応答を行った。

3 NGOとの意見交換・サイドイベントの開催を通じた我が国取組等の発信

 我が国代表団は,本会期中,国内外のNGOとも積極的に意見交換を行い,我が国の取組や今後の方針等を説明した。また,「パリ協定に基づく強化された透明性に向けた能力強化」等のサイドイベントを開催し,我が国の透明性向上に関するキャパシティ・ビルディングの取組を発信するとともに,様々な国や国際機関と議論を行った。さらに,第11回リサーチダイアログ(RD11)において,我が国の研究成果について発表をし,国連気候変動枠組条約の下での科学と政策の連携に資する議論に貢献した。


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