気候変動

平成29年10月31日

 10月30日,環境省は『日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017』(以下、「イニシアティブ2017」)を発表しました。これは,昨年11月にパリ協定が発効し、世界が脱炭素社会、そして気候変動に強靭な社会に転換していく中、日本の優れた技術・ノウハウを活用しつつ、途上国と協働してイノベーションを創出する「Co-innovation(コ・イノベーション)」をキーワードとして,日本のビジョンと具体的な取組を取りまとめたものです。
 イニシアティブ2017は、本年11月6~17日にドイツ・ボンで開催される国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)において,国際社会に向けて発信され,今後、日本はこのイニシアティブ2017に基づいて国内外の幅広い主体と連携して取組を進め、パリ協定の着実な実施を後押ししていきます。

1 イニシアティブ2017の背景とビジョン

(1)背景

 パリ協定の実施に向けては、世界全体での大幅削減が必要であるとともに、気候変動に対して強靭な社会を構築していくことが必要です。また、同時に、経済成長や雇用の増加、インフラの整備、水・食料・エネルギーのアクセス向上等、持続可能な開発目標(SDGs)を追求していくことが重要です。
 このような世界への転換のためには、技術及び社会・経済システム等のイノベーションが必要不可欠であり、インフラニーズが顕在化している途上国においては、ロックイン効果を回避するためにも、まさに「今」、行動を起こしていくことが重要です。

(2)ビジョン

 日本は、気候変動に対する国内対策にしっかりと取組むことに加えて、途上国における気候変動対策と持続可能な開発を進めるため、我が国の優れた技術・ノウハウを活用しつつ、途上国の課題・ニーズを踏まえながら協働し、イノベーションを起こしていく“Co-innovation(コ・イノベーション)”を推進していきます。
 これに向けて、各国のニーズと我が国の民間企業及び自治体が有する技術・ノウハウのシーズを擦り合わせてソリューションを見出す具体的なプロジェクトの形成を推進します。
 さらに、それらのニーズとシーズの“見える化”によってさらなるコ・イノベーションの機会を創出していくためには、途上国において制度面での体制構築や能力開発等の基盤整備を通じて、民間企業や自治体の気候変動対策の機運を強化していくことが重要であることから、今般、「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(通称:見える化パートナーシップ)」を設立します。
 こうした取組に当たっては、国内の関係省庁、関係機関、企業、自治体等、幅広い主体が緊密に協力するとともに、国際機関やNDCパートナーシップ等国際的なイニシアティブとの連携を強化していきます。

2 イニシアティブ2017の具体的な取組

 本イニシアティブの具体的な取組として、以下の分野について、我が国の取組をとりまとめるとともに、COP23の期間中に開催される関連イベントについて記載することによって、より効果的にわが国の取組を発信していきます。

(1)適応のための具体的な取組

  • 科学的知見に基づく適応策の構築
  • 適応策の事業化
  • 非国家主体による適応行動の促進

(2)緩和のための具体的な取組

  • NDCの策定・実施・進捗管理に係る能力向上
  • 低炭素技術のイノベーションと普及促進
  • 国家主体の緩和行動の促進

(3)コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(見える化パートナーシップ)

【参考リンク】


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