国連総会出席のためニューヨークを訪問中の玄葉外務大臣は,9月28日(金曜日)午前9時(日本時間同日午後22時)より約1時間半にわたり米国主催で開催されたG8ドーヴィル・パートナーシップ外相会合に参加したところ,概要以下のとおり。
- 本会合は,昨年5月のG8ドーヴィル・サミットにて中東・北アフリカ地域における歴史的変革を支援するために設立された「ドーヴィル・パートナーシップ」に関して,主に,同パートナーシップの受益国であるチュニジア,エジプト,モロッコ,ヨルダン,リビアの現状評価とG8諸国等の支援状況をレビューするために開催された。同会合には,G8各国及び中東・北アフリカ諸国の外相,また関連国際機関の長等の参加を得て実施され,会合後,成果文書として議長総括が発出された。
- 今回の外相会合では,上記受益国からそれぞれの民主化移行プロセスの進捗状況や経済社会改革への取組につき説明が行われた上で,国際社会の更なる支援への期待が表明された。G8諸国及び関連国際機関からは,それぞれの支援状況の他に,(設立協定改正の結果,)欧州復興開発銀行(EBRD)によるプロジェクトの開始,「移行基金」の立ち上げ,財産回復に向けた取組,英議長国での2013年の優先課題等について説明がなされた。また,参加国は,本年9月の中東・北アフリカ地域での暴力事件について,外交使節に犠牲者を出した米国への同情と団結を表明し,暴力の拒否,寛容及び表現の自由,法の支配,宗教的・文化的多様性への理解等の重要性を強調した上で,当該地域への国際的支援の緊急性を改めて確認した。
- 玄葉大臣からは,G8を中心とする国際社会が改革に取り組む中東・北アフリカ諸国の自助努力を一貫して支えていく重要性を指摘した。また,その上で我が国が,民主化プロセスというマラソンを走る「ランニング・メイト(伴走者)」として「公正な政治・行政運営」,「人づくり」,「雇用促進・産業育成」の3分野を中心に中東・北アフリカ諸国の自助努力を息長く支援していく旨述べた。加えて,我が国国会が本パートナーシップの成果の一つである「欧州復興開発銀行」の設立協定改正を承認した点,また経済関係強化のために官民合同による日・アラブ経済フォーラムの本年開催やビジネス・ミッションの派遣,投資協定締結等に取り組んでいる点を紹介した。