国連

革新的資金調達に関するハイレベル非公式会合における前原外務大臣の発言

平成22年9月21日
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 本日,多くの国や機関にお集まりいただいたことに感謝いたします。とりわけ我が国からの呼びかけに応じて参加していただいた各国に感謝します。また,本会合を開催するに当たり,フランス,ベルギーのリーダーシップにも心からの敬意を表します。

 ミレニアム開発目標等の達成のためにも,革新的資金調達について,国際的な取組がより一層推進されることが必要です。我が国は,国際的な議論をリードするため,本年6月に「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ(LG)」の議長国に就任しました。12月16日~17日には東京にて第8回LG総会を開催する予定です。

 我が国はLG議長国として,より幅広い国々が積極的に議論に参加することを重視します。各国が革新的資金調達の重要性を理解し,立場や意見の相違を超えて,LGにおける議論に加わるよう呼びかけます。

 そして,各国が革新的資金調達に関する議論を深めるための土台として,次のような原則を提唱いたします。

 こうした原則を踏まえ,各国がそれぞれ可能な形で,革新的資金調達に関する検討を進めることを期待します。

 この機会に2つの具体的な取組について,私の考え方を申し上げます。まず,航空券連帯税については,ただ今お話しした3つの原則を満たすものと考えます。一方で、なぜ航空利用者に負担を求めるのかという負担と受益の関係についても十分に議論する必要があります。我が国も,これらの観点を踏まえ,来年度税制改正における航空券連帯税を含む国際開発連帯税の新設について,今後政府内で検討を行う予定です。

 次に,通貨取引開発税について,「開発のための国際金融取引に関するタスクフォース(TF)」及び専門家委員会等における議論の進展を歓迎します。その一方で,通貨取引開発税については,複雑な技術的・法的課題があります。今後,その実現可能性に関する現実的な議論を通じて,こうした課題を乗り越えなければなりません。これまでの議論から,特に重要な以下の論点について,議論を深めることを呼びかけたいと思います。

 我が国は,LG議長国として,こうした諸点について議論が尽くされ,課題が克服されることを目指し,これらの議論に積極的に貢献する考えです。

 本日の会合における活発な議論が,各国における革新的資金調達に対する関心をさらに高めることを希望します。12月に東京で開催されるLG第8回総会により多くの国の参加を得ることにより,議論の輪を一層広げ,国際的な開発目標の達成に対する一助となることを期待しております。


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