国連

麻生総理大臣と潘基文国連事務総長の会談(概要)

平成20年9月26日

 9月25日(米国東部時間)、第63回国連総会に出席した麻生総理大臣は、一般討論演説を終えた後、食料危機・気候変動に関する夕食会に出席する前に、潘基文国連事務総長との会談を行ったところ、同会談の概要は次のとおり(中曽根外務大臣同席)。

【ポイント】

  • 国連事務総長より、麻生総理が就任直後に国連を訪問するという政治的リーダーシップを発揮したことへの謝意を表明。
  • また、日本人職員の活躍をはじめとする日本の国連における積極的な役割への高い評価と、ODA増額を含む今後の積極的貢献への期待を表明。
  • 総理より、国連が安定した力強い機関として発展していくことへの期待とともに、日本もそのため可能な限り貢献するとの考えを表明。

1.総理の国連総会出席と国連への期待・貢献

(1)事務総長より、麻生総理が就任後にこれほど早く国連を訪れる政治的リーダーシップを発揮したことへの謝意表明があった。さらに、日本は国連をはじめ、G8の議長国、アフリカ開発会議(TICAD)の共催国として、国際場裡で活躍し大きな成果を上げていること、特に国連に関しては、第二位の分担金拠出国であるばかりでなく、様々な形で極めて積極的な役割を果たしていることを高く評価すると述べた。

(2)総理より、日本の総理大臣が国連総会に出席するのは3年振りであり、これは日本の国内事情によるものであるが、自分は是非来るべきと考え、本日訪れたと述べた。その上で、国連が安定した力強い機関として発展していくことを期待しており、日本もそのために可能な限り貢献したいとの考えを伝えた。

2.国連に於ける日本人の活躍

(1)事務総長より、日本の国連での役割について一般的な期待が述べられるとともに、自分が事務総長になってから、赤阪広報局長や山崎財務官など日本人の国連職員を数多く採用しており、特に第二の財政貢献国である日本が財務官を出して国連の財政全体を監督するのは当然の成り行きともいえる旨が述べられた。

(2)さらに事務総長より、国連PKO局の部長や東ティモール担当事務総長特別副代表にも最近日本人を起用し活躍していることも紹介され、その関連で、東ティモールで安定と秩序が回復することを期待すると述べた。また、事務総長室でも日本人女性2人が働いているとの付言があった。

3.開発における日本の役割

(1)事務総長は、開発問題における昨今の日本の活躍に言及しつつ、特にTICADでのコミットメントやリーダーシップを高く評価しており、今後とも日本が開発の分野で積極的な貢献を行うことへの期待を表明した。

(2)その関連で、日本のODAについて、近年低下していることを懸念しており、これが上向きになることを期待すると述べた。事務総長は、自分のみならずすべての国連加盟国が日本に大きな期待を寄せていると述べつつ、本日のミレニアム開発目標(MDG)ハイレベル会合は大成功であったが、国際社会はMDGを2015年までに達成しなければならず、そのためには7年しか残っていない旨付言し、一層の努力の必要性を強調した。

4.信頼関係の強化

(1)事務総長より、麻生総理とは日韓両国の外務大臣をともに務める時期があり、その頃にはいろいろな難しい問題もあったが、それを乗り越えてよい友情・協力関係を一貫して築くことができたことを嬉しく思っている旨が述べられた。また、これほど懇意な人が日本の総理として活躍することを心強く思うと述べた。麻生総理からは、最後に釜山で会談をした時の想い出を語った。

(2)総理より中曽根外務大臣を紹介したことを受けて、事務総長は中曽根大臣に就任への祝意を伝えるとともに、中曽根元総理は国際的なリーダーであり良く知っていると述べ、中曽根元総理の近況が話題になった。

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