平成20年9月26日
(1)9月26日、ニューヨークの国連本部内会議室において、パキスタン、UAE、米、英の共同議長の下、「パキスタンに関するフレンズ・グループ」(“Friends of Pakistan” Group)の第1回会合が開催された。参加したのは、共同議長国を含め、日、仏、独、伊、加、中、トルコ、豪、国連、EUの14の国と機関(サウジは欠席)。パキスタンからザルダリ大統領、UAEからアブドゥラ外相、英からミリバント外相、米からはライス国務長官が出席した。
(2)冒頭、ザルダリ大統領より、パキスタンはテロとの闘いなど困難な課題に直面しているが、国際社会が目を向けてくれていることを心強く思う、本会合の優れたイニシアチブに感謝するとの発言があった。その後、順次各国代表が発言したが、各国ともに概ね、パキスタンの安定は地域及び国際社会全体の安全に影響を与えるとしてテロとの闘い及び経済課題に対するパキスタンの取組を国際社会が支援することが重要との立場で一致していた。
(3)中曽根外務大臣より、テロとの闘いや経済的課題に取り組んでいるパキスタンを国際社会が支えていく必要がある、北西部地域の国内避難民に対してUNHCRを通じて総額約400万ドルの緊急無償資金協力の実施を決定した、アフガニスタンとの国境地域の経済社会開発が重要であり、日本も本年のG8議長国として議論をリードし共同声明でもその旨打ち出した、インド洋においてパキスタンの艦船に対する補給支援を実施しており、活動継続に向けて最大限努力するとの発言を行った。
(4)本会合では共同声明が発出された。共同声明は、パキスタンの民主政権を支援するとの決意を明らかにし、安定、開発、国境地域、エネルギー、制度構築の5分野で関係国が連携しつつ行動することに合意した。また、次回事務レベル会合を一ヶ月以内にアブダビで行うこと、また、上記5分野を前進させるために、今後、特別代表を指名することとなった。
(1)パキスタン民主政権が、テロとの闘いや経済問題といった困難な課題に取り組んでいる中、本会合のような枠組を設置し、国際社会としてパキスタンを支援するとのメッセージを発出することは、新たに就任したザルダリ大統領の下でのパキスタン政府の取組を後押しするものである。
(2)具体的連携のあり方については、次回以降の会合において決定されることとなるが、メンバーとしてG7をはじめとする欧米諸国のみならず、トルコ、UAEなどのイスラム国、中国などが含まれており、また、更に参加国を拡大する可能性も排除されていないことから、今後の成果が注目される。